雨の休日でもあり、家で撮り溜めたDVDのまとめ観でもするか…と思っていたら、家族の来客対応の間は外で過ごしてくれと言われ、ならば久々に映画でもと調べてみると、遥か昔の大学生時代に世間を騒がせた「グリコ・森永事件」をモチーフにした新作映画をやっているのが目に留まった。
子供向けの菓子に青酸を混入して商品棚に紛れ込ませるという背筋も凍るような手口の一方で、その菓子に毒入りと警告する表示を付けて結果的に脅しだけで終わったり、拉致された大手菓子会社社長が自力で脱出するという驚きの展開があったり、身代金の引き渡しなどで犯人とのニアミスがあるも警察サイドの不手際で機を逸することが重なるなど、なんとも不可思議きわまりない事件であったという印象が残っている。
犯人による警察やマスコミへの挑発的な文書の累次の発信と、ある種大衆のウケを狙うかのようなその内容の派手さから、戦後最大の劇場型犯罪とまで言われたものの、表向きの死者が出なかったことなどから、庶民的にはあまり深刻さが感じられないまま、犯人からの一方的な幕引き宣言文書で終焉したと記憶している。
未解決とはいえ、死者がなく時効も迎えた36年も前の事件を紐解くことにどんな意味があるのか…映画本編の中でもそうした指摘がされるのだが、関係者の中には今日まで引きずり続けているものがあり得て、未だ事件が終わっていないこともあり得るという視点には、改めて社会的問題を考えるに一石を投じられたように感じた。
長引く未解決の問題に関しては、時間の経過と共に、直接的な被害関係者の心情や動向への焦点が強まっていくことが多いように感じるが、事案の解決とまではいかなくとも解明につながる糸口は、少し軽視しがちな周辺的な角度からのアプローチで見出すことがあり得るものなのかも知れない…。
以上、映画「罪の声」鑑賞後の雑感でした。
(ほのぼの鑑賞・映画「罪の声」2020.11.7終わり。「ほのぼの鑑賞・テレビ懐かし番組2020.11.12」に続きます。)
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