早いもので・・・いえやっと?9回目にこぎつけました。
妄想するのは簡単で楽しいのですが文章にするのに悪戦苦闘。
前にTVで相葉くんの舞台の一場面が紹介されてましたが
いつもの相葉くんとは違う雰囲気でかっこよかった
自分で書いといてなんですが、8話の終わりにはその雰囲気
そのって、そんなんでわかるか!?
では主題歌は『トビラ』でスタート
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『 トビラ 』 (9)
「座れ」
翔が俺の腕を掴んだ。
手のひらで涙をぬぐって促されるまま腰を下ろした。
「俺たちには智が必要なんだよ。これからもずっと。そしてお前にも俺たちが必要だろ?」
翔の言葉は静かだけれど熱い思いが伝わってくる。
「ジェイストの為だけじゃない。音楽で巡り会った仲間だけど、
今はもう音楽抜きでも俺たち5人の絆が切れることはない。そう俺は思っている」
「一人で結論出さないで全部話せよ」
潤の言葉に智はゆっくりと話し始めた。
高校生のときに両親を交通事故で亡くし、唯一の身寄りのお姉さんはその時
すでに結婚していて今も遠方で暮らしているそうだ。
俺と出会うちょっと前に視野が狭く感じられて病院へ行ったけど
眼科では原因がわからず紹介状を書いてもらった。
症状は、はっきりと自覚できるほど悪くなり、失明の可能性も考えて身辺を整理し大学も辞めた。
心配をかけたくないのでお姉さんには言ってない。
そして俺と出合った。
「ジェイストで思い切り歌える時が一番幸せで・・・みんなで一つのことに向かう時間を失うのが怖かった。
俺には最後の時間かもしれないと思って」
「手術をすればよくなるんだろう?」
俺が聞けなかったことを潤が聞いた。
「目には問題がないみたいだけど・・・」
また黙り込む。
みんなは静かに次の言葉を待った。
「脳に腫瘍ができていて視神経を圧迫しているらしい。それ以上は入院して検査しないとわからない」
智の淡々とした話し方が余計に辛い。
腫瘍が悪性だったら命さえ危ないかもしれない。
悪い方へばかり考えが陥っていく。
「結論はひとつだな」
それまで黙っていたカズが言った。
潤も翔も頷いた。
「相葉の言うとおり今すぐ入院だ」
「でもライブは?これにかけてきたんじゃ・・・」
「智にはジェイストで爺さんになるまで歌ってもらわなきゃいけないんだ。
一回のライブが少し遅れたからってどうってことはないよ」
「だいたいライブを延期したからって駄目になるようなやわな気持ちでやってねぇよ」
「だな」
3人の言葉に智の目からポロポロと涙がこぼれた。
悲しくて辛くて、でも暖かい涙。
俺はかける言葉が見つからず、黙って智の肩を抱くしかなかった。
翌日、夏美に手伝ってもらって準備をし、智は入院した。
ライブは期日未定の延期になり、チケットの払い戻しが始まった。
でも俺たちはへこんだりはしていない。
智が復帰するまでにそれぞれオリジナル曲を作るという課題をもち
取り組んでいる。
手術の日が決まった。
前日に俺たちが病院へ行くとお姉さんが来ていた。
お互いの前では明るく振舞う二人が痛々しい。
俺たちはいつもどおり、馬鹿話をして笑い、じゃまたと言って病室を後にした。
ただ最後に智が俺を呼びとめ手を差し出した。
頑張れという思いを込めて力強く握ると、微笑んで言った。
「ありがとう」
その一言に込められた思いが胸に沁みる。
絶対死ぬな!元気になって帰って来い。
俺たちは5人でジェイストだ!
-----------つづく-------------
妄想するのは簡単で楽しいのですが文章にするのに悪戦苦闘。
前にTVで相葉くんの舞台の一場面が紹介されてましたが
いつもの相葉くんとは違う雰囲気でかっこよかった

自分で書いといてなんですが、8話の終わりにはその雰囲気

では主題歌は『トビラ』でスタート

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妄想ドラマ 『 トビラ 』 (9)
「座れ」
翔が俺の腕を掴んだ。
手のひらで涙をぬぐって促されるまま腰を下ろした。
「俺たちには智が必要なんだよ。これからもずっと。そしてお前にも俺たちが必要だろ?」
翔の言葉は静かだけれど熱い思いが伝わってくる。
「ジェイストの為だけじゃない。音楽で巡り会った仲間だけど、
今はもう音楽抜きでも俺たち5人の絆が切れることはない。そう俺は思っている」
「一人で結論出さないで全部話せよ」
潤の言葉に智はゆっくりと話し始めた。
高校生のときに両親を交通事故で亡くし、唯一の身寄りのお姉さんはその時
すでに結婚していて今も遠方で暮らしているそうだ。
俺と出会うちょっと前に視野が狭く感じられて病院へ行ったけど
眼科では原因がわからず紹介状を書いてもらった。
症状は、はっきりと自覚できるほど悪くなり、失明の可能性も考えて身辺を整理し大学も辞めた。
心配をかけたくないのでお姉さんには言ってない。
そして俺と出合った。
「ジェイストで思い切り歌える時が一番幸せで・・・みんなで一つのことに向かう時間を失うのが怖かった。
俺には最後の時間かもしれないと思って」
「手術をすればよくなるんだろう?」
俺が聞けなかったことを潤が聞いた。
「目には問題がないみたいだけど・・・」
また黙り込む。
みんなは静かに次の言葉を待った。
「脳に腫瘍ができていて視神経を圧迫しているらしい。それ以上は入院して検査しないとわからない」
智の淡々とした話し方が余計に辛い。
腫瘍が悪性だったら命さえ危ないかもしれない。
悪い方へばかり考えが陥っていく。
「結論はひとつだな」
それまで黙っていたカズが言った。
潤も翔も頷いた。
「相葉の言うとおり今すぐ入院だ」
「でもライブは?これにかけてきたんじゃ・・・」
「智にはジェイストで爺さんになるまで歌ってもらわなきゃいけないんだ。
一回のライブが少し遅れたからってどうってことはないよ」
「だいたいライブを延期したからって駄目になるようなやわな気持ちでやってねぇよ」
「だな」
3人の言葉に智の目からポロポロと涙がこぼれた。
悲しくて辛くて、でも暖かい涙。
俺はかける言葉が見つからず、黙って智の肩を抱くしかなかった。
翌日、夏美に手伝ってもらって準備をし、智は入院した。
ライブは期日未定の延期になり、チケットの払い戻しが始まった。
でも俺たちはへこんだりはしていない。
智が復帰するまでにそれぞれオリジナル曲を作るという課題をもち
取り組んでいる。
手術の日が決まった。
前日に俺たちが病院へ行くとお姉さんが来ていた。
お互いの前では明るく振舞う二人が痛々しい。
俺たちはいつもどおり、馬鹿話をして笑い、じゃまたと言って病室を後にした。
ただ最後に智が俺を呼びとめ手を差し出した。
頑張れという思いを込めて力強く握ると、微笑んで言った。
「ありがとう」
その一言に込められた思いが胸に沁みる。
絶対死ぬな!元気になって帰って来い。
俺たちは5人でジェイストだ!
-----------つづく-------------