ブログを始めてまる二ヶ月が経ちました
よく続いてるといってもにのちゃんのゲームニッキに比べれば
たった2ヶ月ですね
妄想ドラマはもう4話?になるかそれともまだ4話になるんでしょうか
それではいつもどおり主題歌はトビラでスタート
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『 トビラ 』 (4)
「大丈夫って・・・」
さすがに人がいいと言われる俺でも切れそうになった時、
「お帰り。今日は豪勢にすき焼きだよ!高いお肉奮発しちゃった」
智の後ろに夏美が現れた。
彼女の笑顔を見た途端に怒りが引いていくのがわかる。
なんだやっぱり来てたんだ。
「雅紀のスウェット貸してあげたよ。智くん着替え持ってないって言うから」
「おう、いいよ。俺、何枚かあるから」
智くんって・・・もう名前で呼んでるのかよ。
テーブルの上には三人分の食器と箸がそろえてあった。
「なっちゃんは優しいね。でもさすがにパンツはねぇ」
なっちゃん?なんだか面白くない。
「今日会ったばかりだろ?なっちゃんじゃなくて井上さんとかせめて夏美さんとか呼べよ」
「私はいいよ、なっちゃんで。それとも妬いてるのかなぁ?」
夏美が嬉しそうに俺の顔を覗き込む。
智もニヤニヤ笑っている。
「そうだよ。悪いか」
何だかあほらしくなって、そのあとは3人で笑い転げた。
自分のことはあまり話したがらない智だったけど、
俺と夏美が聞いたことを繋ぎ合わせるとだいたいの事情はわかった。
大学を辞めて実家へ帰るつもりでアパートを引き払い、
お世話になった画材屋の主人に挨拶に行って、藤岡さんに捕まってしまった。
それで大荷物だったわけだ。
持ち物は少しばかりの着替えと洗面道具、
あとは美大生らしいスケッチブックや絵の道具ばかり。
俺のところが居心地いいのか3日経っても、4日経っても智は実家へ帰る気配がない。
夏美とも気が合うらしく、毎日のように一緒に夕飯を食べた。
居なくなると寂しいだろうな、なんて俺も思い始めてしまった。
また潤から電話が来た。
待ち合わせた店に行くとカズだけではなく、翔も来ていた。
やはりジェイストの活動を再開したいという話だった。
「俺たちだっていつまでも若いわけじゃないし、年取ってから後悔だけはしたくないんだ」
潤は昔からそうだった。
思ったことは迷わず行動を起こす。
そのためには努力を惜しまないし、みんなの先頭に立って波もかぶる。
「だけど、親のすねをかじっていられる昔とは違うんだから・・・相葉だって潤のようにバンド活動と両立できるような仕事じゃないだろう」
翔は冷静に現実をみている。
「それはそうだよ。お前らがもう音楽には未練はないと言うならジェイストは諦めるしかない。
でも本当にそれがお前らの望んでいる人生か?今のままで幸せか?」
俺は何も言えない。
今の生活にも幸せは見つけられるけど、それで満足して一生を過ごせるのか・・・
カズが口を開いた。
「俺には音楽しかないから、お前らが参加してくれないなら新しいバンドを潤と立ち上げる。
だけどジェイストにとってはこれが最後のチャンスだと思うんだ。
俺はお前らとジェイストで音楽を作りたい」
「少し時間をくれないか。今ここで即答はできないよ」
「わかった翔。相葉は?」
「俺も考える時間が欲しい。会社のこともあるし・・・おれの気持ちだけですぐには決められない」
「じゃなるべく早い返事を待ってる。俺かカズに連絡をくれ」
潤たちと別れ、独りになって沸々と湧き上がってくる想いに戸惑った。
俺は諦めきれない夢に無理やり蓋をして、
その代償を夏美との将来に求めていたのかもしれない。
渡されたCDを聴いてしまえばもう走り出してしまうだろう自分が怖い。
CDにはバンド活動を再開したときのために、
カズが書き溜めた曲が入っている。
二人はこの一年、それぞれにジェイスト再開のための布石を打っていたのだ。
そして今回のチャンスにつなげた。
潤はモデルの仕事で親しくなった雑誌の編集長を通じて
音楽プロデューサーと知り合いになり、ジェイストのライブを撮ったDVDとこのCDを渡した。
そして一度ライブを見てもらうことになったのだ。
智昭に替わるボーカルもすでに声をかけているやつがいると言っていた。
ここでの決断でおれの未来は大きく変わるだろう。
プロデューサーに見てもらってもその先どうなるかはわからない。
どこまで頑張れるだろうか。
結局また諦める結果になる可能性も高い。
アパートに帰ると夏美と智が待っていた。
「あのね、智くんに肉じゃがの作り方教えてあげたの。雅紀も今度教えてあげるね」
「俺はいいよ。興味ない」
「どうしたの?なんだか機嫌悪いね」
夏美の顔を見たら自分がどうしたいのか、何に苛立っているのかがはっきり見えてきた。
俺は潤たちともう一度夢を追いかけたい。
望んだようにはいかなくてもかまわない。俺ひとりなら。
でも夏美はどうだろう。
このまま愛を育んで二人で暖かい家庭を作ることを願っている。
俺だってそのつもりだった。
それが望んでいる未来だと信じてきた。
眠れぬ夜を過ごし、CDは机の奥にしまいこんだ。
無理にスケジュールを詰めて仕事をした。
疲れて帰るとドアを開けた途端、音のシャワーが俺を包み込んだ。
それは紛れもないジェイストのサウンド。
ライブハウス時代に自費で作ったCD。
忘れようと努力していた音。
俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
「これ、相葉くんたちのバンドなんだって。俺好きだなぁ」
「勝手に何やってんだよ!」
俺は智の胸ぐらを掴んで突き飛ばすとCDを取り出してゴミ箱へ放り込んだ。
---------------つづく---------------
きのうからトビラを聴くと妄想の映像の中で
潤くんがドラムを叩いているんです。
もうめちゃめちゃかっこよくて、いつかドラマとか映画とかで
実現しないかなぁと願っています。
まぁ99%無理とは思うけど
妄想ドラマ『トビラ』(5)は4月1日の予定です。
30日まで家を空けるのですみません
可能であれば携帯から更新も考えています。
よく続いてるといってもにのちゃんのゲームニッキに比べれば
たった2ヶ月ですね
妄想ドラマはもう4話?になるかそれともまだ4話になるんでしょうか
それではいつもどおり主題歌はトビラでスタート
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『 トビラ 』 (4)
「大丈夫って・・・」
さすがに人がいいと言われる俺でも切れそうになった時、
「お帰り。今日は豪勢にすき焼きだよ!高いお肉奮発しちゃった」
智の後ろに夏美が現れた。
彼女の笑顔を見た途端に怒りが引いていくのがわかる。
なんだやっぱり来てたんだ。
「雅紀のスウェット貸してあげたよ。智くん着替え持ってないって言うから」
「おう、いいよ。俺、何枚かあるから」
智くんって・・・もう名前で呼んでるのかよ。
テーブルの上には三人分の食器と箸がそろえてあった。
「なっちゃんは優しいね。でもさすがにパンツはねぇ」
なっちゃん?なんだか面白くない。
「今日会ったばかりだろ?なっちゃんじゃなくて井上さんとかせめて夏美さんとか呼べよ」
「私はいいよ、なっちゃんで。それとも妬いてるのかなぁ?」
夏美が嬉しそうに俺の顔を覗き込む。
智もニヤニヤ笑っている。
「そうだよ。悪いか」
何だかあほらしくなって、そのあとは3人で笑い転げた。
自分のことはあまり話したがらない智だったけど、
俺と夏美が聞いたことを繋ぎ合わせるとだいたいの事情はわかった。
大学を辞めて実家へ帰るつもりでアパートを引き払い、
お世話になった画材屋の主人に挨拶に行って、藤岡さんに捕まってしまった。
それで大荷物だったわけだ。
持ち物は少しばかりの着替えと洗面道具、
あとは美大生らしいスケッチブックや絵の道具ばかり。
俺のところが居心地いいのか3日経っても、4日経っても智は実家へ帰る気配がない。
夏美とも気が合うらしく、毎日のように一緒に夕飯を食べた。
居なくなると寂しいだろうな、なんて俺も思い始めてしまった。
また潤から電話が来た。
待ち合わせた店に行くとカズだけではなく、翔も来ていた。
やはりジェイストの活動を再開したいという話だった。
「俺たちだっていつまでも若いわけじゃないし、年取ってから後悔だけはしたくないんだ」
潤は昔からそうだった。
思ったことは迷わず行動を起こす。
そのためには努力を惜しまないし、みんなの先頭に立って波もかぶる。
「だけど、親のすねをかじっていられる昔とは違うんだから・・・相葉だって潤のようにバンド活動と両立できるような仕事じゃないだろう」
翔は冷静に現実をみている。
「それはそうだよ。お前らがもう音楽には未練はないと言うならジェイストは諦めるしかない。
でも本当にそれがお前らの望んでいる人生か?今のままで幸せか?」
俺は何も言えない。
今の生活にも幸せは見つけられるけど、それで満足して一生を過ごせるのか・・・
カズが口を開いた。
「俺には音楽しかないから、お前らが参加してくれないなら新しいバンドを潤と立ち上げる。
だけどジェイストにとってはこれが最後のチャンスだと思うんだ。
俺はお前らとジェイストで音楽を作りたい」
「少し時間をくれないか。今ここで即答はできないよ」
「わかった翔。相葉は?」
「俺も考える時間が欲しい。会社のこともあるし・・・おれの気持ちだけですぐには決められない」
「じゃなるべく早い返事を待ってる。俺かカズに連絡をくれ」
潤たちと別れ、独りになって沸々と湧き上がってくる想いに戸惑った。
俺は諦めきれない夢に無理やり蓋をして、
その代償を夏美との将来に求めていたのかもしれない。
渡されたCDを聴いてしまえばもう走り出してしまうだろう自分が怖い。
CDにはバンド活動を再開したときのために、
カズが書き溜めた曲が入っている。
二人はこの一年、それぞれにジェイスト再開のための布石を打っていたのだ。
そして今回のチャンスにつなげた。
潤はモデルの仕事で親しくなった雑誌の編集長を通じて
音楽プロデューサーと知り合いになり、ジェイストのライブを撮ったDVDとこのCDを渡した。
そして一度ライブを見てもらうことになったのだ。
智昭に替わるボーカルもすでに声をかけているやつがいると言っていた。
ここでの決断でおれの未来は大きく変わるだろう。
プロデューサーに見てもらってもその先どうなるかはわからない。
どこまで頑張れるだろうか。
結局また諦める結果になる可能性も高い。
アパートに帰ると夏美と智が待っていた。
「あのね、智くんに肉じゃがの作り方教えてあげたの。雅紀も今度教えてあげるね」
「俺はいいよ。興味ない」
「どうしたの?なんだか機嫌悪いね」
夏美の顔を見たら自分がどうしたいのか、何に苛立っているのかがはっきり見えてきた。
俺は潤たちともう一度夢を追いかけたい。
望んだようにはいかなくてもかまわない。俺ひとりなら。
でも夏美はどうだろう。
このまま愛を育んで二人で暖かい家庭を作ることを願っている。
俺だってそのつもりだった。
それが望んでいる未来だと信じてきた。
眠れぬ夜を過ごし、CDは机の奥にしまいこんだ。
無理にスケジュールを詰めて仕事をした。
疲れて帰るとドアを開けた途端、音のシャワーが俺を包み込んだ。
それは紛れもないジェイストのサウンド。
ライブハウス時代に自費で作ったCD。
忘れようと努力していた音。
俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
「これ、相葉くんたちのバンドなんだって。俺好きだなぁ」
「勝手に何やってんだよ!」
俺は智の胸ぐらを掴んで突き飛ばすとCDを取り出してゴミ箱へ放り込んだ。
---------------つづく---------------
きのうからトビラを聴くと妄想の映像の中で
潤くんがドラムを叩いているんです。
もうめちゃめちゃかっこよくて、いつかドラマとか映画とかで
実現しないかなぁと願っています。
まぁ99%無理とは思うけど
妄想ドラマ『トビラ』(5)は4月1日の予定です。
30日まで家を空けるのですみません
可能であれば携帯から更新も考えています。