【紹介文】
時は戦国。炎に包まれた一乗谷で、幼き匡介は家族を喪い、運命の師と出逢う。石垣職人"穴太衆"の頂点に君臨する塞王・飛田源斎。彼のように鉄壁の石垣を造れたら、いつか世の戦は途絶える。匡介はそう信じて、石工として腕を磨く。一方、鉄砲職人"国友衆"の若き鬼才・国友彦九郎は、誰もが恐れる脅威の鉄砲で戦なき世を目指す。相反する二つの信念。対決の時が迫る
【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆☆☆
独創性 ☆☆☆☆★
読み易さ ☆☆☆☆☆
【西京極の読後感想】
京都人の著者にとっては身近な場所・琵琶湖畔に存在した大津城の攻防戦を通して、穴太衆の石垣という最強の“楯”と、国友衆の鉄砲という最強の“矛”の対比を描いた力作。まるで棋士が双方の手を読み合うような丁々発止の攻防戦は読みごたえ抜群でした。主人公である穴太衆の若き頭領・匡介とライバル国友衆の彦九郎が魅力的なのはもちろん、大津城主の京極高次や攻め手の将・立花宗茂の人物造形も素晴らしい。いつか映画化されそうな小説ですが、まずは小説でお読みください。今年イチバンのおすすめ小説です!
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