
椿の蕾を花器に挿してみた、
椿はそれ独自で挿しても美しく見せるのは難しい、
型がないからだ、
葉っぱも花も枝さえも向きは縦横無尽、
それ故型を整えられない、
それでもお茶席では使われるという、
この場合一枝一花であろう、
有名な話がある、
利休が秀吉をお茶席に招いた折、
茶席へと続く路地の椿の花を
態々全部切り落として壁に一輪だけの
真っ赤な椿を飾って迎えた、
と言う話だ、
だが秀吉はこれを喜ばなかった、
いかにもこれ見よがしの所業と
批判したそうである、
まあ
そんな話は田舎のエセ文化人の夜迷い事、
この綺麗でもない椿を花器に活ける
切っ掛けになった経緯をお話ししよう、
わが家の庭先には樹齢7,80年ほどの
椿の木がある、
律儀に毎年たくさんの花を咲かせる、
万を数えるのではないかと思わせるほど
たくさんの花だ、
時期になると
毎朝数百に及ぶこの花を
片づけなければならない、
なんせ玄関脇だから放っとけない、
そこで今年は仕事量を減らそうと
咲く前に枝を切った、
ただ捨てるだけでは芸がない、
そこで花器に活けてみたという訳だ、
梅の蕾は花器に活けて綺麗な花を
見せてくれた、
さてさて
椿はこの状態で花を咲かせるのであろうか
楽しみである。