日光白根山から男体山と中禅寺湖
また一人
身近な友人が亡くなった、
山登りの友人で
❝うたごえ❞も楽しむ仲だった、
彼女は自分からは登山歴など
語ることなど無かったが
それを知ると驚くばかり、
彼女の名前は山高さん、
歴史に名を刻む業績こそないが
その内容は素人離れしている、
例えば
危険な山の代名詞にも例えられ
男でさえ登ることを躊躇う
剣山(つるぎさん)には3回登ったとか、
南アルプスをテントを背負って
二泊で縦走したとか、
極めてアクセスの困難な
東北の名峰
朝日連峰の縦走や
飯豊連峰の縦走とくれば
もはや名のある登山家の業績には聞くが
普通の主婦の実績としては
聞いたことがない、
但し
これらは単独登山ではない、
血を分けた肉親以上に親しく行動を共にした
Oさんの存在を抜きには語れないことも
付け加えておく、
ある時彼女は私に
❝山登りはやりきった❞
と言う思いはあると言った、
さもあらん である、
何かの話の中で関東一円はもとより
上信越あたりの山の名が出ると
決まって
❝登ったことがる❞
という答えが返ってきた、
そんな彼女❝たち❞と私は
仕事を辞めてからの付き合いだから
10年にも満たないが
時には危険を共有する遊びでもあり
弁当を分け合う仲だったりで
他にはない親しみを感じていた、
ここ数年はお互いに先がないので
悔いを残さないようにと
月に2,3回程は一緒に出掛けていた、
それも一昨年まで、
昨年の2月にすい臓がんが見つかり
療養していた、
療養中も落ち込んだ素振りは見せないで
うたごえ教室にも顔を出した、
それが突然の訃報である、
何よりも彼女が一番の趣味である山登りに
❝やり切った❞
と言えるほどの満足感を抱いて
あの世へ行った事が
私にはせめてもの救いである。
冬の浅間山
金峰山頂上の五丈岩と八ヶ岳方面