・・・彼との出会いは・・・花粉舞い散る・・・春・・・初春の朝だった・・・プリシラは一人・・・手にはお気に入り微糖缶コーヒーを持ち・・・一人・・・たたずんでいた・・・
彼は「キャラバン」と書かれた車で現われた・・・紺色の作業着を颯爽と身にまとい・・・
少し日に焼けているのだろうか・・・・浅黒い顔が眩しい・・・
彼は「キャラバン」と書かれた車から降りると、坦々と仕事を始めた・・・
手つきが慣れている・・・無駄な動きはない・・・わき目も振らず仕事に打ち込んでいる・・・
大人の男のフェロモンを撒き散らしている・・・プリシラはもう・・・彼から目が離せない・・・
やっぱり・・・男は３０歳過ぎてからが勝負・・・しかし・・・しかし・・・
何かが変だ・・・プリシラの好みじゃないんだよ・・・なのに、どして目が離せない？？？
どして？？？どして？？？
生まれて初めて見たんだよ・・・あんなに不自然な・・・『髪型』を・・・
明らかに・・・かぶってる・・・かぶってる・・・
ちょっと～～
誰か・・・注意してぇ～～教えてやってぇ～～不自然にも程がある・・・
って事をさぁ～～人間誰だって、他人に知られたくない秘め事を持っている・・・プリシラなんか秘め事だらけだ！！しかしだな・・・その秘め事を他人に知られちゃいけないんだよっ！！
だ～か～ら～プリシラだって、いい年こいてニキビが出来てしまう事とか実はすっごい怖がりで電気つけたまま寝る事がよくあるとか・・・ひどい便秘で救急車騒ぎを起こした事があるとか・・・言った事・・・ないじゃん？？
そんな事聞かされた身にもなってみ？？辛いじゃん？？
彼は・・・誰にも知られてないと思っているかもしれない・・・プリシラ・・・彼に会う度・・・辛くなる・・・そして切ない・・・彼の秘め事は・・・おそらく、彼に関わる全ての人が知っている・・・そう思うだけで切ない・・・
いつも、朝に会う、その彼がその日は昼ごろ、やって来た・・・「キャラバン」と書かれた車でやって来た・・・
そして坦々と仕事を始めた・・・始めた・・・始めた・・・
後ろ姿・・・後姿が・・・
や、やばい彼の秘め事が・・・
秘め事が・・・ズレちゃっているんだよぅ～～～
だ、誰かぁ～～注意してぇ～～
教えてやってぇ～～秘め事がズレている・・・
って事をさぁ～～プリシラ・・・仕事どころではない・・・あっちへウロチョロこっちへウロチョロ
人生・・・・泣き笑い・・・・・・実感させられた・・・
秘め事は決して・・・他人にバレたらいけないんだ・・・そして、万が一・・・他人の秘め事に遭遇してしまった時には・・・とにかく、一人でウロチョロしろ・・・それでも治まらなかったら、誰もいない土地に穴を掘れ・・・そしてその穴に叫べ・・・
「王様の頭はハゲあたまぁ～王様の頭はハゲあたまぁ～王様の頭はハゲあたまぁ～」
必ず・・・３回叫べ・・・
オイラモヅラヒツヨウカ～?
