プリシラ物語

☆☆☆

殴りたい女たち。

2014-07-10 23:04:13 | Weblog

プリシラさんの知り合いがとある有名イタリアン料理屋の支配人をしている

個性的な面々とメニュー以上に美味しい賄いがあるという

プリシラさんよ、一度遊びに来ないかい??なんて言われて、、、

行ったよ、美味しい賄い食べさせてくれるって、、、個性的な面々も興味あるじゃん!!

しかもね、、、んん~ここだけの話、プリシラさんはいつの日か飲食店の経営者になりたいという願望もあるのだよ!!

勉強の為にも行くっきゃねぇべ!!!

行ったよ、美味しいよ、賄い美味しいよ、働いている人たちは個性的で強烈で気に入ったよ!!

5回位遊びに行ったよ、、、いや、もっと行ったかな、、、タダ飯許せよ

 

そのイタリアンの調理場に、、、皿洗いの男の人がいる、、、名をヒデさん(仮名)としよう

プリシラさんより年上で背が高く無口な人である

ヒデさんは知的障害をもっている

同じ皿洗いのおじさんにいつも怒鳴られていた

その度に畏縮してしまってお皿を割ってしまう

プリシラさんはヒデさんの「すみません」という言葉しか聞いたことがない

いつも下を向いていてプリシラさんが挨拶をしても気づかない

でも、わざとじゃなくて本当に気づかないらしく、一度だけ顔を見て挨拶をした時はワンテンポこそ遅れていたが、、、

「こんにちは」と小さく小さく言ってくれた

プリシラさんの知り合いの支配人は失敗は多くても一生懸命なヒデさんの事はとても気に入っていてどんなに皿を割ってもクビにはしないと言ってた

問題なのは怒鳴る皿洗いのおじさんだ!!

 

プリシラさんはそんなある日、暇な上にお金もなく、、、しかも美味い物が食べたくなったので行った、イタリアンに行った

レストランではなく、、、調理場に行った、、、暇な時間帯を狙って、、、

 

久々に行くと調理場の状況が変わっていた、、、

怒鳴るおじさんが、、、クビになっていた、当たり前だろう、、、支配人の前じゃペコペコしていて、、、

自分より弱い者には威張る奴なんていらねぇよ

そして、、、もう一人、クビにしたらしい

プリシラさんも何度か話をしたことのあるウェイトレスの女性、歳は37歳だといった

若作りをしていたのでもっと若いと思っていたが決して若くはない年齢だ、旦那もいて子供も一人いるという

 

ヒデさんには見合いで結婚した奥さんがいる

帰りの遅いヒデさんを夜食を作って毎日待っていてくれるらしい

休みの日に二人でディズニーランドに行くのが一番の楽しみらしい

知り合いの支配人に奥さんとお揃いのミッキーの携帯ストラップを嬉しそうに見せてくれたらしい

ヒデさんは支配人には意外に話をするらしくプリシラさんもそんなヒデさんの話を聞いて快く思っていた

それで、そのウェイトレス、、、支配人の地雷を踏んでしまったのだ!!

ヒデさんは少ない給料から少しづつお金を貯めて奥さんとディズニーランドに行っている

プリシラさんには皿洗いの仕事がどの位の給料を貰えるのか分からないが、、、決して高くはないと思う

でも、人は給料の高さではなく、その人がどれだけ懸命に仕事に取り組んでいるのかということが大切なんじゃないのかと思う

ヒデさんは怒られて皿を割ってしまってそしてまた皿を割ってしまう、、、勿論、皿を割ってしまうのはいい事じゃないけれど、、、

ヒデさんは一生懸命なんだよ、それだけでヒデさんを尊敬していいと思っているんだよ

そのウェイトレスは、、、ヒデさんの奥さんとお揃いのミッキーの携帯ストラップを見て「いい年して」と言ったらしい

「貧乏くさい」と言ったらしい

おい、大人になったらミッキーの携帯ストラップは付けちゃダメなのかい?誰か教えてくれよ!

そしてそのウェイトレスは、、、「昔はお金がなかったけど楽しかったわねぇ、今はお金あるけど楽しい事がないわぁ~」とぬけぬけと言ったらしい

ちょっと、待てよ、その言葉!!!!聞き捨てならねぇ!!!プリシラさんにもちょっと言わせておくれ!!

過去に2度、自ら「自分は金を持っている」的な事を言っている馬鹿なやつを見た、そして二人とも、女性だ、しかも大人の女性だ

「金が欲しい、大金持ちになりたい」その言葉は言ってもいいと思う、だって誰でも持っている人間の本心だからさ

でもさ、自ら「お金はあるけどさ」的な事は言ってもいい事なのか???つうか、それって人としてとても恥ずかしくて滑稽以外の何物でもなくないか???

それって「あたしって人がいいからさ」とか言っちゃってやたらに無駄に自信過剰なのと同類じゃないのか???

そんな事を平気で言えるやつに限って、自分より金持ちには愛想よく自分より下に見たものに対してはシラっとそんな事を言う、、、

そんなやつ、クビだっ!クビだっ!!支配人がクビにしなくても、、、プリシラさんがクビにしてやるっ!!!貧乏人をなめるんじゃねぇー!!!!!

まぁ、支配人曰くクビにしたのはそれだけの理由じゃないらしいが、、、人間的にやはり問題があったと言っていた、よっ!支配人、あんた見る目があるねっ!!

さすが、プリシラさんの知り合いだっ!!

まぁ、クビになったってお金はあるのだからいいじゃんね、暇つぶしの仕事なら全身シャネルで面接に行けばいいだけだしね!!

 

そして、そんな粗大ゴミ以下の2人がいなくなって、、、更に美味しくなった賄いを食べながら、、、

「次の賄いは高級チーズのリゾットとかどう?」

などと肥満に苦しむ料理長に問いかけるのであった、、、

 

帰り際、、、思い切ってヒデさんに、、、

「ヒデさんさよならーまた来るね!」

と元気に言ってみた、、、一瞬、びっくりしてプリシラさんを見たが直ぐうつむいてしまって、目は合わせてくれなかったが、、、

「お疲れさまでした」

といつもより大きな声でヒデさんが返してくれた、、、

ヒデさんはプリシラさんの事なんか目もくれない位一生懸命に皿を洗っていたんだよ

作業着?のズボンのお尻のポケットで、、、ミッキーがニコニコしながら揺れていた、素敵だね

 

あぁ、ディズニーランドには興味はないが、、、お揃いの携帯ストラップには、、、ちょっと憧れる、、、そんな乙女なプリシラさん、、、

だ、誰か、、、ディズニーシーなら行くから、、、お願い連れてって、、、一度も行ったことが、、、ないのさ、残念。

 

ヒトリデイケバ?

ソ、ソウダネ…(プリシラ)

 

 


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