プリシラ物語

☆☆☆

惑乱のその刹那。

2014-12-03 23:55:07 | Weblog

ほっこり。

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ハンモックに揺られる恋人よ。

2014-12-03 01:13:07 | Weblog
この間の雨の日に
いつもの公園の中を通って病院に行こうと歩いていたら、、、
前方でご婦人が地面を見ながら雨に濡れていた
きっとブランド物のコートだろう、しゃがんだコートの裾は濡れた地面に晒されている
通りゆく人々はそんなご婦人には目もくれない、たまに怪訝な顔の人がご婦人を見ている
プリシラさんはご婦人が何をしているのか直ぐに分かった
『どうかされましたか?』
『コンタクトレンズを落としてしまって、、、』

雨の日は嫌いで約束もキャンセルして窓を開けることもなくて時間にもルーズで、、、
でも今日は何故か、予約している時間より30分も余裕を持って家を出た、あり得ない雨の日の立派なプリシラさん参上!

『流れてしまってるとは思うのですが、、、』

ご婦人がプリシラさんを見る
それでもプリシラさんは雨に濡れている地面に張り付いた
ご婦人とプリシラさんはふたりきり、、、雨の中、地面に張り付く
『薄いピンク色の老眼用のコンタクトレンズなんです』
ほほぅ、老眼用のコンタクトレンズがあるなんて、時代も変わったなぁなんて思いながら地面に張り付いた

ちょっと足が痛くなって、起き上がって中腰になろうと思って上を向く、プリシラさんの少し横に30歳前後の男性が、、、地面に張り付いているのに気が付いた、、、

すると4人組のご婦人たちが声をかけてきて一緒に地面に張り付いてくれた

少しして気付くと、、、10人位、いやそれ以上の人が地面に張り付いている

『ありがとうございます、ありがとうございます』
ご婦人が何度も言っている
いつもの公園の通り道の雨の中で大人たちがこぞって地面に張り付いて、みんなが真剣にたった一枚の、、、どこの誰だか分からないご婦人のコンタクトレンズを探している、、、ハッとなってみんなを見たら、不思議な可笑しさが込み上げてきたけれど、、、真剣な横顔や後ろ姿を見ていたら、、、そんな感情は御法度だよと自分に言い聞かせて地面に張り付いた

『もう諦めますから、ありがとうございました、お時間をとらせてしまってスミマセン』
プリシラはその言葉にまたハッとして病院の予約の時間を思い出した
『すみません、時間が、、、』
ご婦人にそういうと、、、地面に張り付いた同士たちを横目に先を急いだ、、、

病院には予約の時間を過ぎて着いたが、、、いつもそうだけど、雨の日は特に威風堂々ではない、、、全くないプリシラさんにとっては何でもない事なのであった、めでたし、、、

めでたし、めでたし、、、となるはずが、、、ここで終わらないのがプリシラ物語なのである!
ふぅ~~知り合いの青年に見られてしまった
『プリシラさんて困っている人がいても気付かずに全速力で歩き抜くタイプだと思っていたんですけどね、案外立派なんですね!!』


んん~青年よ、案外立派はやめていただきたい、、、しかし今回は、、、

これをいただいたので、、、青年の上司とは将棋仲間で、たまに買い忘れた将棋新聞を貰ったりしているので、『案外立派』その言葉は聞かなかったことにしよう、、、

青年の上司は相撲協会にコネでもあるのかな、母ちゃんにあげようかな、毎年恒例の浮世絵カレンダ―は今年は止めようかな、んんん~悩む、悩む、悩める師走、春はまだまだ来ない。




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