プリシラ物語

☆☆☆

あの日。

2015-03-11 14:47:05 | Weblog
四年の月日は長いのか短いのか
分からないまま時が経ち
じゃあ、四年前と今では何が違うのか違わないのか
それすら分からずに、、、
あの日の事は忘れてはいけない事なのに
薄くなっていて
でも忘れるなんて誰も出来ないんだよ
平穏無事に過ごせる空間があるのならそこに行けばいい
そんなの当たり前なんだよ、誰もが求めている事なんだよ
卑怯なんて言葉はないんだ
でもここで生まれてここで育って
どんな想いを抱えようがここしかなくて
そしてここが大好きで

起きて仕舞った事、過去の事はもがこうが叫ぼうが変えられない
だったら、もう前を見るしかないなぁ
そんなの分かっちゃいるさと何度も何度も自分に言い聞かせて
今を歩いている、今を感じている、、、今を生きている



今日は空が青くて、白い雲があって
風はあまり吹いていない
ほとんど動かない雲は怖いくらいに大きくて
分からない様にきっと、、、北へ北へと向かっている
太陽はさっきから見え隠れしていて
プリシラさんも嬉しかったり悲しかったり
少しの間街を見下ろす

家の金魚とドジョウはパクパクしていて
父ちゃんも母ちゃんも電話の向こうで笑っていて
もうそれだけでいい、なんて思ったりする

四年前の今日よりも、、、四年後の今日は春の日に少し近い
近所の煙草屋の犬は口が半開きのまま腹を出して日差しに照らされていた
白髪のおじいさんがその姿を見て笑っていて
プリシラさんもつられて笑ってしまった

もう少ししたら金魚鉢を乗せている台を白いペンキで塗ろうかなぁ
そんな呑気な心が余裕になった時、、、
色んな人や色んな出来事を思い出して
静かに目を閉じようと思う


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