語ってらっしゃるのは去年1stアルバムを発表した「Sworn In 」というデスメタルバンドのドラマー、クリス・ジョージ氏。クラウス・ノミについてはいろいろなジャンルのアーティストが語って来たわけでございますが、これほど手放しで絶賛したものはあんまりないように思います。嬉しいのでクリス氏の語りの部分だけ全訳しました。怒られたら引っ込めます。
クラウス・ノミの『シンプル・マン』の最後の2曲からも影響を受けたよ。彼のアルバムでも、僕らの『The Death Card』でも、アルバムの終盤で主人公は死を経験してから、その経験について語るために戻って来る。僕らのアルバムも、最後の2曲のタイトルは「Death」と「Return」。これは僕らがこのアルバムを作るにあたって活用したコンセプトなんだ。いわば僕らからのノミへのトリビュートでもあるし、長年彼から受けて来た影響を、僕らが世界に送り出したファーストアルバムの中で表現したものでもあるんだ。クラウスがそうしたように、僕らはできるだけ自分自身の人格を取り払って、むしろ単なる存在物になろうとしている。目の前のパフォーマーも結局は自分たちと同じような人間だ、なんて誰も思い出したくないからね。観客を飲み込んで、パフォーマーが普通の人間だということを忘れさせてしまうぐらいのショーをやらないといけないんだ。
記録、反応、そして現代美術における位置づけという三つの側面にフォーカスしたという本展、同時代の人の証言やノミから影響を受けた人へのインタヴューがこの展覧会のために収録され、会場でエンドレス上映されたのだそうです。いいですなあ。
証言者には現代芸術家のヴォルフガング・シュテーレや2008年の舞台「Hommage à Klaus Nomi」を手がけた映像作家ウルリケ・オッティンガー 、Chicks on Speedというベルリンのバンドのメンバーや、写真家ユルゲン・クラウケといった名前が挙がっております。いやあ、どなたものろごのみな香りがぷんぷんと...何ですと、ユルゲン・クラウケは滋賀県立美術館で展覧会をやったことがあるんですと!?
...しかし1997年かあ。その頃はワタクシ、クラウス・ノミの存在すら知りませんでした。これをもって、どんな展覧会でもなるべく足を運んでおくものだという教訓としようと思います。
そんなわけで、自らのふがいなさに心がぎちぎちと痛むわけでございますが、besser als gar nichts ええつまりベターザンナッシングなのではあり、常のごとくネット上で見つけたものをご紹介することでお茶を濁すことといたします。
ああお茶を濁すだなんて最低だ。
こんなんでよくファンを名乗れたもんだ。
ああ情けない(以下、永遠ぐらい続く)