11/28の続きでございます。
前回、マネによるベルト・モリゾの肖像画について もにゃもにゃ 語らせていただきました。
ご承知の方も多かろうとは思いますが、描かれているモリゾもまた画家でございます。
彼女の作品は1階に展示されております。
そしてモリゾを描いたモネもまた、他の画家によって描かれております。
「バティニョールのアトリエ」 これがまた凄いんでございます。
描いたのはアンリ・ファンタン・ラトゥール。バラの品種名にもなったお人でございます。
新たな絵画表現の旗手として尊敬を集めるマネと、彼のもとに集う芸術家たちを描いた集団肖像画。
描かれているメンツの詳細については、上のリンク先(絵のタイトルをクリックのこと)をご覧下さい。
ガイドブックの言葉を借りるならば「落ち着いた色調と堅牢な画面構成」。
言葉にするとなんだか地味でございますが、その見事さたるや、もう
としか言いようのないものでございます。
衣擦れの音や、コツコツと静かな靴音までも聞こえてきそうな描写力。
マネ、モネ、ルノアール、バジール、エミール・ゾラ、(その他ややマイナーな人たち)
師であり弟子であり、友でありライバルでもある芸術家たちが醸し出す、
静かで熱い空気感が伝わってまいります。
ちなみに画面右寄りに描かれております長身の画家バジールは
この作品が描かれた1870年11月28日、自ら志願して参戦した普仏戦争で亡くなりました。
享年29歳。
本展にはバジールの作品、そして無名時代のルノアールがバジールを描いた作品も出品されています。
温厚で思いやり深かったというバジールの人柄については ↓ こちらをご覧下さいませ。
名画 デスクトップ壁紙美術館 フレデリック・バジール:《 家族の集い 》
さて さて。
マネもモネもルノワールもそしてバジールも印象派さんでございます。
しかし彼らと並んで ひっそりこっそり いらっしたのがロートレック。「ポール・ルクレルク」
いやあ
一体この人の絵筆は、画布に下ろしたならばもう自動的に
モデルの性格や心理を塗り込められるように、できているんでございましょうかねえ??
もちろんそんなわきゃございませんけれども
ロートレックの他の作品同様、この絵の前に立ちますと、
実際に目の前に座っている人物からこちらを見据えられているような
居心地の悪ささえ感じるのでございますよ。
印象派の殿堂というイメージのオルセー展でロートレックに遭遇したのも意外でございましたが
もっと意外だったのは、
第5章 幻想の世界へ でお目にかかったレオン・スピリアールトでございます。
展示されているのは「月光と灯火」。上のリンク先で見られます。
月を中心にぐりぐりと渦巻く夜空
かすかに明るみながらも暗闇に消えてゆく脇道
灯火に照らされた建物も、通りから一歩離れるや、たちまち闇へと沈みます。
画面に充満するいい知れぬ不安感。
レオン・スピリアールト。
デルヴォー、アンソール、マグリット、クノップフにロップスを生んだベルギーという国の
これまた個性的にしてなにやら不穏な雰囲気を漂わせる画家のひとりでございます。
かくも人の心をざわざわさせる作品を描いた彼ですが、後年には(ムンク同様)
ずいぶん明るい絵を描くようになります。
しかしのろは、今回展示されているような、彼が結婚して幸せな家庭生活を始める以前の作品、即ち
精神をぐらつかせるような、深い闇をたたえた作品の方がだんぜん好きでございます。(ムンク同様)
この他、この最終セクションには
悪趣味スレスレの感のある作品も多々ありまして、大変面白うございました。
オルセーの懐の深さを感じさせるところでございましたよ。
前回、マネによるベルト・モリゾの肖像画について もにゃもにゃ 語らせていただきました。
ご承知の方も多かろうとは思いますが、描かれているモリゾもまた画家でございます。
彼女の作品は1階に展示されております。
そしてモリゾを描いたモネもまた、他の画家によって描かれております。
「バティニョールのアトリエ」 これがまた凄いんでございます。
描いたのはアンリ・ファンタン・ラトゥール。バラの品種名にもなったお人でございます。
新たな絵画表現の旗手として尊敬を集めるマネと、彼のもとに集う芸術家たちを描いた集団肖像画。
描かれているメンツの詳細については、上のリンク先(絵のタイトルをクリックのこと)をご覧下さい。
ガイドブックの言葉を借りるならば「落ち着いた色調と堅牢な画面構成」。
言葉にするとなんだか地味でございますが、その見事さたるや、もう
としか言いようのないものでございます。
衣擦れの音や、コツコツと静かな靴音までも聞こえてきそうな描写力。
マネ、モネ、ルノアール、バジール、エミール・ゾラ、(その他ややマイナーな人たち)
師であり弟子であり、友でありライバルでもある芸術家たちが醸し出す、
静かで熱い空気感が伝わってまいります。
ちなみに画面右寄りに描かれております長身の画家バジールは
この作品が描かれた1870年11月28日、自ら志願して参戦した普仏戦争で亡くなりました。
享年29歳。
本展にはバジールの作品、そして無名時代のルノアールがバジールを描いた作品も出品されています。
温厚で思いやり深かったというバジールの人柄については ↓ こちらをご覧下さいませ。
名画 デスクトップ壁紙美術館 フレデリック・バジール:《 家族の集い 》
さて さて。
マネもモネもルノワールもそしてバジールも印象派さんでございます。
しかし彼らと並んで ひっそりこっそり いらっしたのがロートレック。「ポール・ルクレルク」
いやあ
一体この人の絵筆は、画布に下ろしたならばもう自動的に
モデルの性格や心理を塗り込められるように、できているんでございましょうかねえ??
もちろんそんなわきゃございませんけれども
ロートレックの他の作品同様、この絵の前に立ちますと、
実際に目の前に座っている人物からこちらを見据えられているような
居心地の悪ささえ感じるのでございますよ。
印象派の殿堂というイメージのオルセー展でロートレックに遭遇したのも意外でございましたが
もっと意外だったのは、
第5章 幻想の世界へ でお目にかかったレオン・スピリアールトでございます。
展示されているのは「月光と灯火」。上のリンク先で見られます。
月を中心にぐりぐりと渦巻く夜空
かすかに明るみながらも暗闇に消えてゆく脇道
灯火に照らされた建物も、通りから一歩離れるや、たちまち闇へと沈みます。
画面に充満するいい知れぬ不安感。
レオン・スピリアールト。
デルヴォー、アンソール、マグリット、クノップフにロップスを生んだベルギーという国の
これまた個性的にしてなにやら不穏な雰囲気を漂わせる画家のひとりでございます。
かくも人の心をざわざわさせる作品を描いた彼ですが、後年には(ムンク同様)
ずいぶん明るい絵を描くようになります。
しかしのろは、今回展示されているような、彼が結婚して幸せな家庭生活を始める以前の作品、即ち
精神をぐらつかせるような、深い闇をたたえた作品の方がだんぜん好きでございます。(ムンク同様)
この他、この最終セクションには
悪趣味スレスレの感のある作品も多々ありまして、大変面白うございました。
オルセーの懐の深さを感じさせるところでございましたよ。