6年ぶりの七面山ダイヤを楽しみに数日前から天気予報をチェックしていた。金曜日の昼頃まで20,21は曇りがちで絶望的。これは来シーズンまで持ち越しなのかと思っていた頃、ブックマークしていたてんきとくらすの七面山のページで19日夜から20日午前が晴れマーク、登山指数がAに変わった。これはチャンス!
夜のウチに山行の準備をし、翌朝タントに荷物を詰めた。
午前中は某所で仕事が有り、それが終了後、ナビを一般道優先にして出発。午前中に降った雨があがると、一気に青空が拡がった。途中の国道に設置された温度計は21°を指し、窓を開けながらの運転が心地よかった。マスクをつけなくて良ければもっと良かったけどね。
富士吉田から137号へ。チャンスがあれば富士を撮りたいと思っていたが、雲が巻いて富士は辛うじて見える程度。先へ進むことにした。
本栖湖から300号へ入り、ヘアピンカーブの連続する急坂を下りた。ここを通るのは前回がいつだか思い出せないが、なるべくなら通りたくないんだよね。
道の駅しもべでトイレ休憩。ついでに速報をアップした。
300号から県道37号(南アルプス街道)へ入ると一気に交通量が減った。この辺で6年前の記憶とボンヤリつながってきた。逆に言うと6年前とあまり変わっていない、いやむしろ寂れているのか・・・
夕食をあてにしていた南アルプスプラザは休業中。この角瀬は数件の旅館があるだけで、食堂は無いのだ・・・
夕食はカップ麺で済ませることにして先へ。6年前と同様にぼこぼこの舗装道を先へ。一度道幅の狭いところですれ違いにちょっとヒヤヒヤだったが、とりあえずOK。
おお、なんだこれは!(ハザードを出して撮影しています)
6年前に停めた公衆トイレと電話ボックスの付近はダメかもと思いつつも行けるところまでいってみようと先へ。
うわ~、無理か・・・
運良く電話ボックスの脇に軽自動車ならどうにか停められるくらいのスペースがあり、どうにか停めることが出来た。(17:30頃)
まだ夕食には早い。6年前は行かなかった白糸の滝を見に行くことにした。駐車スペースから徒歩1分でここへ。
タントに戻り、カップ麺とパンで夕食。腹八分といったところだが、どうせ直ぐに寝るのだ。
1月の足柄SAの車中泊の寒さに懲りて、真冬でも使える厚手の寝袋を買ったが、その後使うことは無く、今日がデビュー戦になった。なるほど、これは暖かい。でも、次にこれが本気で必要になるのは来シーズンだなぁ。
アラームを23:50にセットして18:27に仮眠。
しかし、この時間では眠くなるはずもなかった。それにようやくうつらうつらした頃に、車の音で起こされた。
22時過ぎにトイレへ。この時間に歩き出すのは流石に早い。少しでも休んでおきたいので、もう一度寝袋の中へ。不思議と今度は比較的寝ることが出来た気がする。
23:50頃目が覚め、丁度良いので今度こそ動き出すことにした。
オニギリを食べながらお湯を沸かして、テルモスにドリップコーヒーを煎れた。
もう一度トイレに行った頃、トイレ前で準備をしているグループの方々に「おはようございます。」の挨拶をした。う~ん、時間的にこれで良いのか?
車内でジオラインを着て、冬用の山ウェアに着替え、N95マスクを付ければ準備OK。
重たい方の三脚とアイゼンを背負い、ヘッデンを点けて歩くのは元日の竜ヶ岳以来だ。久々のズッシリ感はキツい(>_<)
0:39出発
参道なので歩きやすいが、深夜なのに気温が高く、インナーのジオラインの効果が出過ぎて暑いのなんの!タオルで汗をぬぐい、袖をまくって歩いた。それにマスクが面倒!そういえば6年前はマスクなんて付けなかった。あの時は花粉症を気にしなかったのはなぜだろう。
この時間に効いていたのはオードリーのオールナイトニッポン。正直ど~ってことない内容だったが、この時間にラジオ無しなんて無理だよね。
1:21 十丁目。おおむね5丁ごとに撮影して時間を計ったが、5丁で20分ほどのペースで登ることが出来た。
1:32 十三丁目の肝心坊でトイレ休憩
2:11 二十三丁目の中適坊で休憩中の登山者を見つけ、「おはようございます」と挨拶した。返事が小声だったので、どうしたのかと思ったが、すぐに分かった。中のベンチで横になっている人が居たのだ。おそらく夜中に到着し、そのまま歩き出したのだろう。でも、あそこで寝たら具合悪くならないかな・・・
2:48 三十丁目通過。
3:12 三十五丁目通過。
その数分後、三十六丁目の青雲坊で休んでいるソロ男性を見つけて、挨拶した。
トイレを探そうと、背中を向けたところ、まさかの展開になった。
「のぞむくん」
「え?あ、ヨッシーさん(ブログ)じゃないですかぁ」
実は数日前、一緒に登りませんかとメールでやりとりをしており、天気が悪そうだから行かないと思うと返事をもらっていたのだ。
「オレも天気予報を見て、行くつもりは無かったんだけど、こうやって天気が変わったら雨上がりで雲海から登るダイヤになるかもしれないので、急遽来ることにしたんだ。それにメールをもらっていたから、のぞむくんに会えるかと思っていたよ。」
彼は甲府の自宅で仮眠をとってから出発し、0時頃到着して、トイレからは少し離れたところに停めて歩き出したという。おそらくタントで食事中に通ったウチの一人だろう。
「こんなに雪が無い春分の日は初めてだよ。調子狂っちゃうな」
「今回ヨッシーさんのHP時代のh18レポ、h19レポを見てから来ました。この時はスゴい雪がありましたよね。それにここのお坊さんのブログを見て、雪があるだろうと思ってアイゼンを担いできたんですけど、全然無いですね。」
トイレを借りて、一緒に登ろうと提案すると、「オレは遅いから先に行ってくれ」という。今日も三脚2つに天体撮影用のレンズも担いでいるとのこと。随身門の釣鐘の下の場所取りを依頼されたので、頑張って先を急ぐことにした。
3:48 四十一丁目の先はこの通り。でも、アイゼンを使うほどでは無かった。
4:08 四十六丁目の和光門 よ~し、あと少しだ!
広場(?)へ。6年前の記憶なんて曖昧なものだ。ここから富士見ポイントはどう行くんだっけ。
とりあえず強い光の方へ。
灯りは6年前は行かなかった敬慎院だった。お坊さんに「ご苦労様でした。中で休んでいきませんか」とありがたい言葉を掛けてもらったが、まずはヨッシーさんとの約束で場所取りを優先したい。
坂を上る。この雪は除雪されているのだろう。
展望台(遥拝所)へ着くと、予想通り三脚がズラリと並んでいる。
しかし、厚い雲がかかり、手前の山並みは辛うじて見えるものの富士は全然ダメ。
まぁ6年前も着いて直ぐは見えなかったしね。まだダイヤまで2時間ほどある。チャンスはこれからさ・・・
※結論がわかっているので、今更ですね。でも、この時間はこう思っていました。
取り敢えず門の下、約束の位置にレジャーシートを敷いて、ザックを置いて場所取りをした。その一方、三脚だけを持って柵の側に設置した。釣鐘を入れてダイヤを撮る頃には明るくなっているから手持ちで良いはずだが、もしこの暗い時間に富士が見えたら三脚が必要というわけだ。
近くにいらした方にボンヤリ話しかけてみた。彼は土曜日の午前、雨の中登ってきて敬慎院に宿泊。午後に晴れた時に撮ったイイ感じの富士を見せてくれた。彼が撮ったように天気が回復すると良いなぁ。
しばらくして、ヨッシーさんが到着したので、一緒に門の下へ。少し話しをした後、荷物を見てもらい、敬慎院に行ってトイレを借りることにした。
別に宿泊者でもないただのハイカーなのだが、ズラリと並んだお坊さんが「ご苦労様でした」と声をかけてくださり、なんだか恥ずかしかった。屋内のトイレの個室へ。
なんと便座が暖かい!出るものは出なかったが、これはポイント高い。もし、宿泊するチャンスがあったら心地よさそうだ。
5:21 コンデジで撮影出来るほどに明るくなってきた。あと50分・・・
腹が減っては何も出来ない。朝食はこれ。
レポを作りながら、一瞬どきっとした。富士の山頂が写っているように見えたのだ。しかし、拡大すると全然違った。そんなわけないよね。
5:49 せっかく担いできたのでデジイチタイム。
う~ん、
6:04 お坊さんが上ってきた。
南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経
富士も太陽も見えないまま、ダイヤタイムは過ぎてしまった。
6:12 あの辺に太陽があるんだろうなぁ
読経が終了し、殆どのカメさんは帰路へ。
この少し前、ヨッシーさん馴染みの甲府エルクの元店員さんが話しかけてきた。彼女は昨日仲間と敬慎院に停まったとのこと。
一緒に記念撮影。
ヨッシーさんは少し先で調べてみたいとおっしゃるので、彼を待つ間、もう少しデジイチタイム。
ダイヤはダメだったが、せめて富士がちらりとでも見えないか・・・
結局富士を見ることは出来なかった。
戻ってきたヨッシーさんに「街中で、ダイヤが撮れなくても仕方ないと思えるけど、こうして苦労して登ってきたのにダメだとダメージがデカイですよね」と話しかけたところ、
「こんなことはよくあるよ。まぁ3回に1回撮れれば良い方さ」とのこと。山の上からのダイヤ、パールなど場数を踏んでいる彼ならでの発言は重みがあった。
さらに、「なんなら敬慎院に泊まって、明日もう一回狙ってみたらどうだい」と提案された。しかし、着替えも何も持ってきていないので、それは出来なかった。でも、次回はそれもありかな。それなら山頂やその先の希望峰まで行ってみたい。
※ この辺までブログを書いて「七面山 希望峰」と検索してみた。すると、booさんが一昨年のGWに歩いたレポがヒットした。彼は早朝に下から一気に希望峰まで行っている。それに自分もコメントを入れていたことをすっかり忘れていた。ダイヤ狙いで夜中に歩かなければ参道からの風景も楽しめる。彼のように一気にピストンするよりもこの敬慎院に泊まって、夕景とダイヤでなくても夜明けの風景を楽しむのもよさそうだ。やってみようかな。
一旦敬慎院へ。以前ヨッシーさんが使ったという屋外のトイレを借りた。
7:10 下山開始。この付近は雪があり、ヘッデンの灯りでは少しびびったが、ど~ってことは無かった。
下山を始めて直ぐにヘロヘロになってしまった。やはり、昨晩のタント寝は上手くいかなかったのだ。
「オレもよくあるよ。辛いんだよな」
夕方登って、夜中に撮影することの多いヨッシーさんの言葉はありがたかった。この下山が一人だったら気が紛れなくてキツかっただろうなぁ。
途中で多くのハイカーと出会ったが、6年前のように白装束の信者さんの集団には出会わなかった。ヨッシーさんも今日は信者さんがあまり居ないねと不思議そうだった。
たしか、4人組の家族らしき普段着のグループが居て、その一人が何妙法蓮華経と唱えていた。そして、ソロの壮年女性が小さい祠でお経を唱えていた。この時間に出会った信者さんはこれだけだったように思う。
ヨッシーさんにどこが見えているのか、尋ねると富士見山でないかとのこと。上述のように明るい時間に登ってくるとこういう眺めを楽しめるかな。
二十三丁目の中適坊で一休み。
ヨッシーさんは登ってきた4人組の信者さんの旦那さんと上の様子を伝えていた。この気さくなお人柄が多くの人を惹き付けるのだなぁ。

「これは○○○の葉だ」目敏く見つけて撮影している。さすがの観察眼だ。
また、登ってきたソロ男性が「あれ、どこかで会いましたよね」と話しかけてきた。
彼の記憶をたどると、以前高指山でヨッシーさんにお花について教えてもらったそうだ。
その後、歩き出してからお腹のカラータイマーが鳴りだした。脂汗が出ていたかと思う。心配して声をかけてきたヨッシーさんに事情を話した。
9:07 十三丁目の肝心坊の個室へ。ここはドッポンだったが、どうにかセーフ。朝の敬慎院で出れば良かったのだが、こればっかりはコントロールできないのだ。
二丁目の神力坊。ここでは信者さんの大集団。
9:58 一丁目に到着し、13時からみちほさん(ブログ)と待ち合わせがあるというヨッシーさんを見送った。
本来はヨッシーさんを駐車スペースまでタントに乗せていくべきなのだろうが、もうヘロヘロでどうにもならなかった。
車内でウェアを着替え、トイレで小用を済ませた後、アラームを11時にセットして寝袋に入った。
この40分ほどはホントに気持ち良く、文字通りの爆睡だった。アラームを点けなければもっと寝ていられただろう。
ナビを自宅を目的地にして、一般道優先にすると往路と同じく300号を経由して137号へ戻るルートが表示されたので、その通りに走った。
昼食をどうするか考えながらの運転だったが、身延山の帰りに寄った下部温泉に行ってみることにした。あの時は下部温泉会館で入浴し、その前にあった飲み屋さんの印象が良かったことを思いだしたのだ。
温泉会館そばの駐車場に車を停め、お店のあった場所へ行ってみると、どうやらもうやっていないらしい。それならと地元の方に食堂が無いか尋ねると、駅前に行ってみるとよいと勧められた。
駅前の駐車場に停め、丸一食堂へ。
馬鹿丼(うまかどん・800円)を注文し、待つ間に速報をアップした。
豚や牛よりもさっぱりした食感で、なかなか美味しく頂いた。もっと食べられる店が増えると良いのにね。
食後は先ほど見かけた車窓から見えた河津桜の撮影に向かった。(身延町HP)
だいぶ葉桜になっていたのと曇り空の為、ラィティングもイマイチ・・・ま、イイか。
タントに戻り、帰路へ。
ナビ任せで300号を登りながらふと気付いた。
これならヨッシーさんとみちほさんに合流できる!
12:55 写ば写ばへ
店内のお客さんはみちほさん、ダンナさん、ヨッシーさんの3人。先生はお留守で奥様が店をやってらした。
ケーキセットをお願いした。
みちほさん、ダンナさんとは小下沢や堂上でわずかな差で行き違いになっており、実際に話をするのは昨年10月以来だった。
3人の花談義に入れてもらいながら、小一時間を過ごした。ダンナさん撮影。
ヨッシーさんはみちほさんたちにお花(が咲く)ポイントを案内するというが、私は先に失礼することにした。
楽しい時間の後は、渋滞地獄が待っていた。
そうだよ。すっかり忘れていたが、この日は3連休の中日なのだ。
137号も鳴沢付近までは比較的良かったものの、徐々に混みだし、富士吉田からは本格的な渋滞に突入。お約束の小仏渋滞を回避してきたであろう20号は大月からびっしり。コンビニで一休みしようと思っても、満車状態で停められず・・・
コーヒーとブラックブラックガムでごまかしつつの運転が続いた。○○と相模湖のセブンでシートを倒してアラームを点けずに仮眠。
高尾に入ってからは比較的流れたのが救いだったが、仮眠と夕食休憩をとって帰宅できたのは20:20。あ~疲れた(>_<)
山ウェアの洗濯を済ませ、風呂に入ってこの日はさっさとベッドへ。
翌朝起きるとふくらはぎと腿の痛みが半端なく、家の階段の上り下りも不自由なほどだった。そういえば標高差1200mは昨年9月の金峰山以来なのだ。参道は歩きやすくて難しくは無いが、なにしろ長いので、足へのダメージはそれなりのものだった。
今回3時間強かけて狙ったダイヤは思いっきり空振りに終わった。七面山のダイヤは来年の春分の日、いや今年の秋分の日の宿題になった。なかなか達成出来ない方が、達成出来たときの喜びも大きいと信じて、次のチャンスを待つことにしよう。
>雲海に浮かぶダイヤモンド富士
是非撮ってみたいです!
私も別の場所で撃沈でした。
ここからのダイヤはいつか撮ってみたいですね。
でも、上手くいかなかった分、次に撮れたときの感動が大きいと思うようにしています。