”スローライフ滋賀” 

「ウォーキング三昧」ブログの続編です。令和元年(2019年)5月1日に移行しています。

パラ競技用器具製造 「東レ・カーボンマジック」 (米原市)

2021-10-07 11:00:00 | 滋賀TODAY
 大手化学企業東レの子会社で、カーボンファイバー(炭素繊維)を活用した製品の開発や製造をする「東レ・カーボンマジック」。
米原市三吉の同社では、長年のレーシングカー開発の技術を生かし、パラリンピアンたちを支えるカーボン製の競技用器具を製造している。


↑写真:中日新聞より

 同社は、2001年に設立した前身会社の時代から、カーボンによるレーシングカーの開発、製造を手がける。
構想を練る開発から設計や材料の選定を経て、製造の全工程を社内で一貫している。鉄より硬く、アルミより軽いとされるカーボンは、さまざまな製品の素材として重宝される。
 レーシングカー開発で培った技術を応用し、需要に応えようと、車をはじめ、医療機器、日用品、スポーツ用品…と製品の幅を広げてきた。
 カーボンがスポーツ用品で重宝される理由は、「軽さ」や割れずにたわむ「バネ性」だ。カーボンファイバーを何に活用するか模索されていた1980年代。軽さが求められたゴルフクラブや、テニスやバドミントンのラケットにカーボン製が普及し始め、アスリートらに一般化されてきたという歴史がある。

↑写真:中日新聞より

 同社がパラスポーツの競技用器具に携わり始めたのは、2008年ごろ。
国内メーカーからの依頼がきっかけだった。奥明栄(あきよし)社長は「『アスリートの記録や能力向上に、ものづくりで応えたい』というメーカーの思いに共感した」と開発に乗り出した。2016年には、競技用義足の開発を手がける「Xiborg(サイボーグ)」(東京都渋谷区)などと共同し、競技用義足を製品化。カーボンの持つ「バネ性」が、スピードを競う陸上の短距離で活躍する。
 
 今大会では、いずれも陸上200mで銅メダルを獲得した、米国のジャリッド・ウォレス選手(男子T64)とオランダのキンバリー・アルケマデ選手(女子T64)が使用。選手が着地した時のエネルギーが次の一歩のエネルギーに変換され、パフォーマンスの向上に一役買った。

 岐阜県養老町の車いすメーカー「松永製作所」とは、車いすバドミントンの競技用車いすを共同開発。
同社のアルミフレーム車いすをベースに、カーボンフレームを製作し、軽さと頑丈さを両立した車いすを完成させた。
前後運動が求められる競技であるため、より早くシャトルに追いつくことや選手の疲労軽減に貢献できる。

 男子シングルスとダブルス(銅メダル)に出場した村山浩選手と、女子シングルスの小倉理恵選手が使用。バドミントン用車いすでは、アルミ製を使う選手が多いため「黒の見慣れない車いすに乗っている」と話題になっていたという。
トップレベルの選手たちにとって、用具の性能が結果を大きく左右する。「東レ・カーボンマジック」は、選手一人ひとりや競技によって異なる、求められた機能を生かすものづくりにこだわる。
 奥社長は「今後も要望に積極的に応えていきたい。カーボンファイバーでアスリートを助けられる要素はまだまだある」とさらなる可能性を探究している。

東レ・カーボンマジック
米原市三吉215−1
https://www.carbonmagic.com/

松永製作所
岐阜県養老郡養老町大場484番地
https://www.matsunaga-w.co.jp/

<中日新聞より>

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