北アメリカ原産の外来魚で、漁業被害をもたらす恐れのある「チャネルキャットフィッシュ」が、瀬田川洗堰(あらいぜき)下流で激増している。
洗堰の全開放流時に琵琶湖に侵入してしまう危険性があり、滋賀県は漁業や固有種の生態系への影響を懸念。駆除への協力を呼びかけている。
↑写真:中日新聞より
「チャネルキャットフィッシュ」は、食用として1971年に国内に持ち込まれた全長50~80cmほどのナマズ。小魚や木の実などを食べる雑食で、霞ケ浦(茨城県)では漁業被害をもたらしている。
琵琶湖に流入するとイサザやゴリなどが食べられてしまう恐れがある。伝統漁法「えり漁」では、網の中に入り込み、捕獲したアユなどを食べ尽くす可能性もある。
滋賀県内では、2001年に琵琶湖で初めて確認され、洗堰下流では2013年ごろから増加している。滋賀県水産試験場によると、2022年度に滋賀県内で捕獲されたチャネルキャットフィッシュは、過去最多の374匹で、前年度の1・5倍以上となった。捕獲場所は洗堰下流が約8割を占めるが北湖でも5年ぶりに見つかった。
滋賀県は、琵琶湖への流入を防ごうと捕獲や研究を強化するが、釣りでの駆除にも協力を呼びかけている。水産試験場の担当者は「産卵数も多く、釣りで1匹でも取ってもらえたらありがたい。釣り上げたら外来魚ボックスに入れて欲しい」と話している。
<中日新聞より>