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滋賀県 安土城跡の保存・整備に向けて「安土城跡令和の大調査」実施

 織田信長が築いた「安土城跡」について、滋賀県は保存・整備に向けた大がかりな調査を実施することになり、5月28日、学識経験者などが基本計画を検討する会議が県庁で開かれた。

 滋賀県庁で開かれた検討会議には学識経験者や地元の関係者など8人が出席した。
滋賀県は安土城を復元するプロジェクトを進めていて、今年度から国の特別史跡に指定されている安土城跡の整備や保存を進める基本計画の策定に取り組むことになった。

 滋賀県によると安土城については、資料がほとんど残されておらず、昭和と平成に行われた大規模な発掘調査でも、史跡に指定されている範囲のおよそ20%程度しか、調査が終わっていないという。

 炎上した安土城の天主(天守)が倒壊した先とみられる天主跡北東側の発掘を検討していることが分かった。天主のしゃちほこや屋根瓦、金具、柱の焼け残りなどが出土する可能性があるという。
 5層7階とされる天主は織田信長が討たれた本能寺の変(1582年)の直後に焼失し、資料がほとんどなく構造は長年謎とされている。
天主跡地に残る礎石の傾き具合から倒壊した方向とみられる北東側は未発掘だった。


↑写真:京都新聞より

 会議では、今後の保存や活用を進めていく上で、安土城の実像の解明が必要だとして、基本計画に大規模な調査の実施を盛り込むことが説明された。
調査の具体的な規模や実施時期などについては、今後、検討されることになっていて、来年度末までに基本計画がまとめられる予定。
 滋賀県文化財保護課の松下浩主幹は「これまでも長く調査は行われてきたが、わかっていないことも多いので新たな発見が期待される」と話している。

【安土城】
↑写真:京都新聞より
 織田信長が1576(天正4)年に築き始め、1579年には天主を完成させて移り住んだ。本能寺の変直後の1582年6月に何らかの理由で天主をはじめとする主郭部分が焼け落ち、1585年、豊臣秀次の八幡山城築城とともに廃城となった。

 滋賀県は2026年度の築城450年祭に向けて城の実像を明らかにし、目に見える形で復元するとして、三日月大造知事の発案で2019年4月「『幻の安土城』復元プロジェクト」事業を立ち上げている。ただ、城の構造・外観を伝える史料がほとんど見つかっていないなど多くの課題がある。

<NHK大津、京都新聞より>
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