”スローライフ滋賀” 

東近江市民の誇り 「東近江大凧」 継承へ一歩ずつ

 古くは江戸時代から続く「東近江大凧」。
その雄大で華やかな姿は、伝統文化を受け継いできた東近江市民の誇りでもある
 一方で、大凧制作などに取り組む東近江大凧保存会会員らの高齢化などもあり、その技術や文化の継承などが課題の一つにある。そこで東近江大凧の魅力を広く知ってもらおうと、次代を担う子どもたちに向け様々な取り組みが行われている。

↑写真:滋賀報知新聞より

 一つに、小学校高学年対象の大凧制作教室チャレンジ大凧」がある。
国の無形民俗文化財にも指定されている東近江大凧の将来の担い手となる子どもたちにスポットをあて、その製法や飛揚技術の伝承、また、世界無形文化遺産登録への願いも込めて2007年から毎年開いている。

 コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった今年度のチャレンジ大凧は、東近江市内から4人の児童が参加した。
「大凧会館で凧を見て興味が湧いた」「大きな大凧を一度制作してみたかった」と児童らの動機は様々。そして、約1か月間にわたって大凧制作に取りかかり、縦3・75、横3・4mの8畳敷の大凧を完成させた。
 飛揚を迎えた先月、晴天に恵まれたが、凧の命となる風はほぼ無風。凧が揚がるまで何度もチャレンジすると凧はふわりと揚がった。

 飛揚を見守った保存会の山田敏一会長は「大凧の魅力の一つは、自然の大きな力を綱を通して肌で感じ取るあの感覚。大凧を初めて揚げた感動は今でも忘れられない。子どもたちにも味わってほしい」と思いを話す。この日、大飛揚とはいかなかったが、児童らは自分たちの力で揚った凧を見て体いっぱいに喜びを表現していた。

 東近江市の一大イベントであった大凧まつりが中止(2016年以降)になるとともに、大凧文化が途絶える不安の声もあった。
 大凧の展示や発信、体験教室などを開く東近江大凧会館の役割も大きく、鳥居勝久館長は「文化伝承の観点からもこの拠点(大凧会館)があることは大きい」と話す。「どこにも負けない文化、自慢できる文化を持っている市町はそう多くない。東近江市として誇れる大凧をこれからも大切にしていかないと」と思いを募らす。

 「チャレンジ大凧」のほかにも、「成人式大凧」や「東近江市内小学校での大凧作り」など様々な形で継承されている。
昨年は東近江大凧の歴史や特徴などを分かりやすく紹介したリーフレットを制作し、東近江市内小学校に配布した。

 保存会員は現在20人ほどで、そのほとんどが60歳以上。山田会長は「多様化する時代の中で大凧だけに関心を持ってもらうことは難しいが、先人たちの継承がなければ今もない。地道に未来につなげたい」と話す。

保存会への入会など問い合わせ: 
東近江大凧会館(0748―23―0081)
http://oodako.net

<滋賀報知新聞より>
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「東近江ライフ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事