東近江市種町(旧能登川町)に「大橋珍味堂」という、隠れた全国的な「つまみ」専業メーカーがある。しかし、殆ど一般の人はその存在を知らない。
天保元年(1830年)に創業し、190年続いている老舗の菓子メーカーである。
普段、「つまみ」を食べるとき、メーカーを気に留めることがない。
「大橋珍味堂」は酒屋が自分でつまみを造って、やがて専業メーカーにまでなってしまったのである。それも不思議と滋賀で造っている。今やニッチなつまみメーカーがひっそりと大きく育っているのである。
正月期間、お酒を飲む機会があろうが、今度、つまみを手にする時があれば一度メーカーをご覧あれ。もしかすれば「大橋珍味堂」製かも。勿論、インターネットでも購入できる。
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「大橋珍味堂」は商売の歴史は茶葉を売る小売り店舗「茶善」という商店からスタートした。
大東亜戦争後、茶葉の販売では商売として成り立たないと判断した先代の「大橋善一」が醸造機器の問屋を始めた。醸造機器の売り先が酒蔵だったことから、醸造機器以外にも、酒のビン、キャップ、シール、そして、つまみの珍味まで販売することになる。
戦後、酒蔵が酒屋として商売に重点をおくようになり、大橋珍味堂は軸足を酒のつまみである珍味に絞って販売するようになる。
その後、客のニーズに応えしていくことで、食料品の問屋になって行く。
しかし、これも大手の参入とコンビニエンスストアの普及で酒屋も少なくなり、大橋珍味堂は問屋からメーカーへと変化してきた。
平成12年(2000年)頃は、珍味以外にUCC缶コーヒーやブルボンのお菓子、ポテトチップス、日清のサラダ油といった食品を扱った問屋業でだったが、現代表の大橋の代で珍味メーカーとして製造業1本となる。
大橋珍味堂
東近江市種町1717