大津絵、ひこにゃん、ホタル、忍者-。地域を象徴するデザインの「マンホールふた」が、滋賀県内各地に点在している。地域の花や鳥、風景、観光資源を描いたものから、人気アニメとコラボしたものまで、デザインはさまざま。たまには普段気に留めない足元に目を向け、好みのものを探して歩くのも楽しいかもしれない。
「複雑なデザインには滑り止めの役割もあるんです」と教えてくれたのは、草津市の矢橋帰帆島にある「淡海環境プラザ」の大橋基喜さん。
プラザでは、下水道に関心を持ってもらおうと、滋賀県内各地のマンホールふたのデザインや設置場所を紹介し、一部の実物も展示している。
大橋さんによると、地域の特色を織り交ぜたデザイン性の高いふたは、下水道事業のイメージアップのため、1980年代後半ごろから全国で広まったという。滋賀県内には、人気ゲーム「ポケットモンスター」やアニメシリーズ「機動戦士ガンダム」とコラボしたものや、滋賀県内出身の歌手西川貴教さんが主催する「イナズマロックフェス」のロゴをあしらったものなど特別なデザインもあり、70種類以上が存在するという。
ふたのデザインや由来が書かれた「マンホールカード」も人気。カードは、下水道関連の企業や組織などでつくる「下水道広報プラットホーム」と自治体が2016年から発行し、滋賀県内では8自治体が12種類を配っている。
プラザでは、琵琶湖に浮かぶヨットやカイツブリが描かれた県流域下水道のマンホールカードを配っており、6月で配布枚数は1万5千枚を超えた。
展示やカードを目当てに滋賀県外や海外からプラザを訪れる人も多いとか。大橋さんは「これを入り口に、下水処理の仕組みに関心を持ってもらいたい。水を大切にする生活を送るきっかけにもなれば」と期待する。
淡海環境プラザ
草津市矢橋町字帰帆2108
https://www.ohmi.or.jp/news/news-3762/
<記事・写真: 中日新聞より>