「くさいけどおいしい」-。滋賀県の伝統食である「ふなずし」について滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)がアンケートをしたところ、滋賀県民のこんな本音が見えた。6月1日に調査担当者が同館で報告会を開き、発表した。
アンケートは、「ふなずし」などの魚の発酵食品「なれずし」の消費状況を調べる目的で企画。「近江のナレズシ県民大調査」と題して昨年11月~今年1月に実施し、2128人の県民から回答を得た。
「ふなずし」を「食べたことがある」と答えたのは76%にあたる1590人。1993年に滋賀県職員が実施した調査では85・1%で、30年の間に減少した。 味の感想について選択式で聞いたところ「おいしい」が最も多く59%。「価格が高い」が次いで46%で、「くさい」が31%と続いた。
調査を担当した博物館のフィールドレポーター、前田雅子さん(71)は「『おいしい』と『くさい』を両方選んだ人が130人と想像以上に多かった」と話した。自由記述の中には「臭いが強烈だが、口に含むとなんともおいしい」のように好意的な意見もあったという。
更に、ふなずしの食べ方についての質問では「お酒と一緒に」などと答えた人が多くいたことから「お酒を介してふなずしのおいしさや良さを知り、愛好者が広がっていることがうかがえる」と分析した。
<記事・写真: 中日新聞より>