滋賀県は県政150年記念事業の一環で、「滋賀県史の編さん」を進めている。
4月から本格的に取り組むのを前に、京都大名誉教授で滋賀県史のあり方検討懇話会の伊藤之雄(ゆきお)会長が3月24日、滋賀県危機管理センターで講演。約100人の滋賀県職員に向け、編さんへの心構えや姿勢について語った。
伊藤会長は「歴史は大事だが、歴史を描いたり生かしたりする難しさがある。普遍的な価値観を、書く人が持たないといけない」と伝えた。更に「史料の正確さを考えて歴史事実を確定する。一番良いのは、当事者の史料。それはなかなか集まらないが、2次史料や同時代であっても遠い史料は、参考程度に利用する」と話した。
京都市政史の編さんに携わった経験から「京都は公文書があまり保存されていなかった。滋賀は幸いにして残っている。約1万点にも上る膨大な滋賀県庁文書を本格的に使った、初めての滋賀県史になるのでは」と期待を込めた。
滋賀県史は1872年(明治5年)から2022年までを対象にし、2037年度までをめどに全6巻と年表などにまとめる。<中日新聞より>