近江八幡市の八幡商業高校3年で、コンピュータ部の西村陸さんが、全国商業高校協会(全商)が主催する検定試験の全9種目で1級に合格した。
簿記珠算部の勝島和希さんと宮田真愛(まな)さん、藤川梨瑚(りこ)さんは、いずれも税理士試験の簿記論に合格した。
「計画立てこつこつ」 全商9種目1級合格の西村さん
簿記珠算部の勝島和希さんと宮田真愛(まな)さん、藤川梨瑚(りこ)さんは、いずれも税理士試験の簿記論に合格した。
「計画立てこつこつ」 全商9種目1級合格の西村さん
↑写真:中日新聞より
西村さんは高校入学時、八幡商業高を卒業した姉から「9冠(9種目1級合格)を取った先輩がいた」と聞き、検定試験に関心を持った。
1年で情報処理のビジネス情報に合格した。2年では情報処理のプログラミングを満点で合格したほか、簿記実務、ビジネス計算実務の電卓、商業経済、英語もクリアし、六冠に。
3年では財務諸表分析と財務会計、管理会計の3科目のうち2科目取得で1級合格となる会計分野を3科目とも取得したほか、ビジネス文書実務、ビジネス計算実務の珠算にも合格して9冠を達成した。
全商によると、9冠達成は2022年度が全国で70人、2021年度が64人。同高では西村さんが2人目で、滋賀県内では計3人目。
西村さんは「2年で英語を合格して9冠を狙おうと思ったけど、珠算は授業にもなく、独学で大変だった。計画を立てて、こつこつ積み上げた成果が出た」と振り返った。一方で「勉強ばかりではなく、友人に恵まれて学校行事が楽しく、オンラインゲームでもよく遊んだ。メリハリが大事だと思った」と話した。
国家資格のITパスポート試験と基本情報技術者試験にも合格。滋賀県高校情報処理競技大会では2年連続で個人、団体とも優勝し、全国大会に出場した。
卒業後は滋賀大経済学部への進学が決まり「企業に経営アドバイスができるようなスキルも身につけたい」と話した。
税理士試験の簿記論に合格し、通知書を手にする(右から)宮田さん、勝島さん、藤川さん
↑写真:中日新聞より(右から宮田、勝島、藤川)
勝島さんと宮田さん、藤川さんは、2021年11月の日商簿記検定で、いずれも1級に合格。昨年7月の全国高校簿記競技大会では団体の部で優勝した。今回合格した簿記論は税理士試験の必須科目の一つ。国税庁によると、2022年度の合格率は23%だった。
滋賀県内の高校生で簿記論に合格したのは過去6人で、うち3人は前年度の八幡商の卒業生。
・勝島さんは「先輩の存在が刺激と励みになった」と話し、後輩には「身近な目標を設定し、自分のペースで頑張って」とエールを送った。滋賀大経済学部に進み、税理士を目指す。
・全商主催の検定試験でも8種目に合格し、会計事務所に就職する宮田さんは「簿記論に合格でき、税理士を目指そうと思った」と話した。
・民間企業に就職する藤川さんは「簿記の勉強はやり切った。違う分野で新たなことに挑戦したい」と誓った。
<中日新聞より>