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岩手県 松川温泉 松楓荘 目次

2012年07月28日 | 松川温泉 松楓荘

岩手県 松川温泉 松楓荘 公式HP  http://www.hachimantaishi.com/~shofuso/

(1)温泉風呂付特別室「大瑠璃」
(2)風呂
(3)食事


もう10年以上前のこと。

青森県の温川山荘に泊まったことがきっかけで「日本秘湯を守る会」を知り、秘湯めぐりを始めた頃でした。

「女性に人気がある」という評判を聞いて、岩手県の某旅館に泊まりました。

濃いミルクのような白濁の湯で満たされた露天風呂でいい旅夢気分の心境でいたら、湯の中で手にふわっと何かが触りました。

「湯の華だ♪」と思い、両手でソレをすくい上げてみたところ・・・・、そこには大量の湯の華に混じって大量の毛髪が!!!!

映画「リング」で、松島奈々子が井戸の中で大量の黒髪をすくいあげてしまうホラーなシーンが頭をよぎりました。

いったい、何日掃除してないのだろう???

湯治で連泊する人や、立ち寄り入浴する人がいつでも入浴できるように掃除の回数を減らしていたのでしょうか?

それ以来、私にとって松川温泉はトラウマの地となってしまったのです。


でも、と言うか、だから、数年前に、松楓荘に新しく温泉付き客室「大瑠璃の間」ができたと知った時には、
「今度は客室できれいな松川の温泉を独占することができる♪ 次回、あちら方面に行く時には、松楓荘の大瑠璃の間に泊ろう」
と思ったのです。

そして、今月、それが実現しました。


ちなみに、「大瑠璃の間」の部屋風呂のお湯は、あまり白濁してませんでした。
毎日お湯を抜いて風呂掃除し、常に新鮮なお湯が注がれている場合、濁り湯でもなかなか濁る暇が無いのです。

白濁した湯の方が絵的には風情があるでしょうが、
私は、濁る暇も無いほど新鮮で透明な「濁り湯」(?)の方が嬉しく思いうようになりました。


(1)温泉風呂付特別室「大瑠璃」
(2)風呂
(3)食事




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岩手県 松川温泉 松楓荘(3) 食事

2012年07月28日 | 松川温泉 松楓荘

岩手県 八幡平 松川温泉 松楓荘(3) 食事&感想

山菜、川魚、前沢牛など、山の幸を使ったお料理。
品数多く、ボリュームもあって、おなかいっぱい!






夕食は隣の客室に用意してくださいました。
この客室は、従来のトイレ洗面無しの客室。
畳の上にカーペットが敷かれてました。











最初から並べられていた料理。
ほとんど全部出しですが、刺身は席に着いてから切り立てを、汁物も熱々を後から持ってきてくれました。












豆腐、山菜、姫筍、岩魚塩焼き、野菜の白和えなど、
前日の籐七温泉の夕食と同じような内容ですが、
美味しくいただきました♪











八幡平サーモン(ニジマス)と、岩魚のお造り。
席についてから切り立てを持ってきてくれました。










盛岡冷麺。
冷たくつるつるした食感が、お口直しとして良いアクセントになりました。
スイカがとても甘くておいしかった。

スープはおそらく市販品のため、化学調味料のベタッとした後味が残ったのが残念











山菜の天ぷら。










前沢牛のすき焼き。
前沢牛はごく薄切りのものが少量でしたが、美味しいお肉でした。

料理全体の量が多いので、私達にはこれで十分でしたが、
逆に前沢牛をたくさん食べたくて訪れる方には、物足りないかもしれません。
予約の時に、グラム数でオーダーするなど、相談した方が良いかもしれません。











ご飯と、ひっつみ汁。
「ひっつみ」とは、パスタのオレキエッテのような、小麦粉で作った耳たぶのようなもので、
これを入れた具沢山の汁物を「ひっつみ汁」と言い、このエリアの郷土料理だそうです。
もちもちとした食感が美味しかったです。











前日の籐七温泉の夕食と似ている部分もあり、大きな感動は無かったものの、
山の幸中心の手作り料理。
品数多く、ボリュームもあり、全ては食べきれず、色々少しずつ残してしまいましたが、美味しくいただきました。













朝食は、玄関近くの大広間で、他のお客さんと一緒に。
フキの煮物、温泉卵、焼鮭切り身、筋子、温野菜、納豆、焼海苔、ご飯、漬物、味噌汁、ヨーグルト。











人気のある秘湯宿には、時代劇や映画のセットに舞い込んだかのような感覚を味わえるほどに
鄙びた秘湯の風情をきっちりと前面に押し出せている宿もありますが、

松楓荘さんは、都会から来る観光客が求めるノスタルジーや田舎らしさを特に意識している感じでもなく、良くも悪くも自然体で素朴。
歴史を感じる風情ある浴室があるかと思えば、脱衣所の3枚のバスマットが、全て異なる色とデザインで視覚的にごちゃごちゃだったり、
ロビー横のお土産コーナーや、廊下の途中のスペースに、忘れ物やら誰かの私物やらと、物が雑然と置かれたりで、
「せっかくの鄙び宿が、雑然とした生活感に侵食されている!」そんな印象もありました。


せっかくの歴史ある古い宿です。雑貨の色を統一したり、余分な物を見えないところに隠すことで、
鄙びた宿の素敵さが強調されるのではないか?なんて思ったのでした。


宿の方々は、女将さんはじめ皆さん、とても明るくて気さく。
高級旅館のように恭しく丁寧ではないけど、ぶっきらぼうで無愛想でもなく、
絶妙な心地良い距離感はさすがに歴史ある湯治宿だなと。

色々書いたけど、お湯も、手作り料理も、宿の方も猫ちゃんにも満足の、良い宿でした。


おわり









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岩手県 松川温泉 松楓荘(2) 風呂

2012年07月28日 | 松川温泉 松楓荘

岩手県 八幡平 松川温泉 松楓荘(2) 風呂

いかにも東北の鄙びた温泉らしい風情のお風呂たち。
混浴の洞窟風呂(女性専用時間有)、混浴露天風呂、男女別内湯、女性専用露天風呂。







洞窟風呂は、宿の前を流れる渓谷を渡った対岸にある。
1階廊下途中にある出入口。
まずは、ここでサンダルに履き替えてから橋を渡る。

この雰囲気、けっこうキテますね~~

鄙びているのは良いけど、雑然としているのがちょっと気になりました。
写真には撮らなかったけど、掃除機や、お客さんの忘れ物のタオルや水筒など、
そこここに色々なものが雑然と置かれているのです。
もう少し片付けた方が、すっきりと鄙び感だけを際立たせることができて良いように思うのですが・・・。













L字型の橋を渡ると、対岸右手に洞窟風呂がある。











橋を渡って、旅館の建物を見たところ。
外観もかな~り鄙びた感じ。

この日は大雨。川が増水して、流れも速くちょっと怖かった。
洞窟風呂は低い位置にあるので、水没したりしないかな?と、心配したり。。。

※翌朝、夫が洞窟風呂へ行こうとしたら、「増水のため使用禁止」になってました。








上から見下ろした洞窟風呂。
ハシゴのような階段を下りると、いきなり脱衣場&浴槽。

かけ湯するスペースはかろうじてあるが、石鹸やシャンプー類は備えてないので、
男女別内湯で先に体を綺麗に洗ってから来るのが理想的。

洞窟風呂は、なかなか面白い雰囲気のお風呂でしたが、
バスタオルを巻いての入浴は厳禁なので、私は写真だけ撮ってそそくさと退散。

女性専用時間はあります。17時~19時。
ちなみに夕食は18時からでした。











洞窟風呂から入口方向を見上げたところ。











湯口

湯口。硫黄の堆積物で真っ白。














男女別内湯








廊下の一番奥にある、男女別の内湯。
ちょっとした椅子や、大きな体重計もありました。







こちらは女性用内湯の洗い場。合計4人分ある。

シャワーとカランの代わりに、きれいなお湯を張った長細い枡があり、
そこから手桶でお湯を汲んで洗髪などに使います。

この洗い場は、浴槽エリアから独立しているので、浴槽内に石鹸のしぶきが飛ぶ心配がありません。


前記事のコメント欄にも書きましたが、
秘湯系で一番困るのは、浴槽から直接お湯を汲む以外、
お湯を使う洗う方法が無いお風呂です。

昔のお風呂は皆それが当たり前だったのかも知れないけれど、
不特定多数の人が浸かったお湯で髪をすすいだり、顔を洗ったりには抵抗があります(´・_・`)

鄙びたお風呂場に、シャワーを設置したら風情が無くなるという意見もあるけど、
そういうお風呂場でも、枡にきれいなお湯をかけ流して、そこから手桶で汲んで使う方法ならば、
風情を損なう心配も無いから良い方法だと思いました♪


シャワー代わりのお湯の枡と言い、独立した洗い場と言い、昔風情のお風呂ながら良く考えられて造られているなと感心しました。











こちらが女性用内湯の浴槽。
天井の高い木造の湯屋造りで、東北の秘湯らしい雰囲気です♪

昔は塀の無い大きな混浴風呂だったのでしょうか?
右手、男湯と仕切る塀に大きな岩が挟まっています。











こちらは女性用内湯に併設された露天風呂。
混浴苦手な女性でも心おきなく露天風呂に浸かれるのはうれしい♪

ちなみに男性専用露天風呂はありませんが、
混浴苦手な男性もいると思うので、男性がちょっと可哀想な気がしました。












女性専用露天風呂に浸かった状態での眺め。
左手の滝から水を引いて加水されていて、そこそこ長湯できる適温でした。











周りは樹木が生い茂り、さながらジャングル風呂のよう。
独占状態でまったり入浴♪
水色がかったうすにごりのやさしいお湯でした。











こちらは、館内にある、混浴露天風呂。
体を洗うスペースは無いので、男女別内湯で、先に体を洗ってから来るのが良いでしょう。












暖簾をくぐると脱衣所は男女別です。
こちらは女性用脱衣所。











脱衣所から出たところ。
ヨシズが目隠しになってます。
一応、桶と風呂椅子があり、掛け湯するスペースはありますが、
石鹸など本格的に体を洗う設備は無いので、先に男女別の内湯で洗ってからの方が
お湯も汚さずに済み、気持ち良く入浴できると思います。












ヨシズよりに先に進むと広々とした混浴エリア。
トタン屋根が付いているけど、なかなか開放的な気持ち良さそうな露天風呂です。

残念ながら、こちらも浸かることはせず、写真撮影だけにしました。
混浴風呂で、常に誰かが来るかもしれないと気にしながら入浴するのは、やはり落ち着かないです。

今回は部屋風呂のお湯を堪能したし、女性用露天風呂にも浸かってので、これでじゅうぶん満足とします。











食事編へ続く
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岩手県 松川温泉 松楓荘(1) 温泉風呂付特別室「大瑠璃」

2012年07月20日 | 松川温泉 松楓荘

岩手県 八幡平 松川温泉 松楓荘(1) かけ流し温泉風呂付特別室「大瑠璃」:

大きなヒバ風呂付きの新しい客室♪ 木の香りがすがすがしかった♪






籐七温泉をチェックアウトした後は、八幡平でハイキングする予定だったが、大雨のため歩く気になれず、ハイキングは中止。

八戸にある市場、八食センターに行ってみたいという夫のリクエストで、八戸までドライブ。
「八食センター」には新鮮な魚介類がたくさん売っていて見ているだけで楽しかった。
近所に住んでいたら毎日食材の買出しに行っちゃうかも??









八戸から再び松尾八幡平に戻って、土砂降りの中、松楓荘へ。
看板の前で脇道に入り坂を下って行くと、広~い駐車場になっていて、そのどんづまりに頼りなさげな木造の建物が。
雨でフロントガラスがゆがんでます。











いかにも、秘湯って感じの玄関。











お土産コーナーの一角に猫ちゃん専用ベッドが。
女将さんは「ねこにゃん」と呼んでいました。
シャムとの雑種だそうです。












玄関からの廊下をまっすぐ進み、最初のお部屋が今回宿泊する「大瑠璃の間」。











客室の入り口は洋風で言えばアルコーブのような、
引き戸を開けると、スリッパを脱ぐスペースがあり、さらに鍵付きのドアがある。









入口方向から見た居間。







窓側から見た居間。









テレビ、魔法瓶、お茶セット、目覚まし時計。
客室に時計が置いてあるのは嬉しい。


客室に時計を置かない理由を、「時間を忘れてゆっくりして欲しい」とか「普段の生活では時間に追われているから」と言う宿も多いが、
実際には、食事の開始、お風呂の交代、チェックアウトなど、旅館での滞在は、時刻に縛られることが多く、
お客は嫌でも時間配分し、時刻を確認する必要に迫られるわけで、それなら携帯や外した腕時計をいちいち見るよりも、
見やすい場所に時計が置いてあった方が、はるかに気持ち的には時間から開放されるように思うのです。

時計を置くことを無粋と感じる人もいるかもしれないが、それなら、無粋ではない素敵な(?)時計を置けば良いと思うのです










テーブルの上には花とキャンドル。
花は残念ながら造花でした
個人的には、造花なら、お花は飾らなくてもいいかな~と思う。











窓からの眺め。川の対岸に、洞窟風呂の入口が見えます。
大雨のため、川の流れが速くてちょっと怖かった








到着のお菓子の代わりに、ゆで卵とアジシオ。
温泉で茹でたらしく、殻が面白い色に染まってました。
殻を割ると、中の白身も茶色くて面白かった。

でも化学調味料は嫌いなので、アジシオはやめて欲しかったな~。
もちろんアジシオは使わずに、そのまま食べました。

卵は美味しかったです。









備品は、浴衣、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシ。
客室にドライヤーは備えてません。












客室の脱衣所兼洗面所。
バスタオルも干せる大きなタオルハンガー♪
左のドアはトイレ。
トイレは、シャワートイレで、便座除菌クリーナーも備わっていて、個室も広々していてなかなか良かったです。









洗面台。設置型のタイプです
お湯は出ません。













脱衣所から見た客室風呂の浴室。








5人位は入れる大きな浴槽に、温泉がかけ流されています♪
窓を開ければ川の流れが見られます。

源泉温度は60度前後、使用位置でも50度なので、100%かけ流しだとかなり熱いです。
加水用の蛇口があるので、自分で加水量を調節できますが、
源泉の注入量を調節したい場合は、宿の人に声をかけてくださいとのこと。

チェックイン時は、加水され適温に保たれていましたが、
その後、水を止めておいたら、熱くなってしまい、
やむなく少量加水&湯もみ棒で必死に攪拌、その後、頭にかぶり湯(※)してから入りました。


(※)高温浴について。
熱い湯に浸かる前に、その湯を頭に30杯くらいかけると、体が熱さに慣れて入りやすくなります。
浸かる時間は2~3分程度にして、その後はしばらく安静にします。

草津温泉「時間湯」公式サイトからの抜粋
>お湯を頭からかぶり、血行を良くし、血液を頭部に集め、入浴時の、のぼせや貧血を防ぐ為に行い、特に後頭部にかけます。
>ここには小脳があり体の温度調整をする機能があり、頭の血管を開くと同時に体の血管を開くことによって湯あたりやのぼせを防ぎます。
>また、身体の毛穴を開いた状態に維持し、温泉入浴効果高めます。

草津の時間湯とは違い、私は頭にかけたお湯が浴槽内に戻らないようにしてます。











洗い場にはシャワーは無いが、お湯の注がれる枡があり、そこから手桶でお湯を汲んで、洗髪などに使う。
シャンプー、リンス、ボディソープあり。











手桶2つ、洗面器2つ、風呂椅子2つ。湯揉み棒あり。


泉質は中性の硫黄泉。

硫黄には脱脂作用があるので、温泉によっては、肌がガサガサに乾燥することがあるのだけど、
ここのお湯は肌触りも意外に柔らかく、浴後の肌も乾燥しなかった!

そう言えば、籐七温泉のお湯も、見た目の荒々しさとは裏腹に、肌がすべすべする優しいお湯だったな~。
綺麗な、良いお湯を独占できてシアワセでした





洞窟風呂、大浴場、混浴風呂に続く








ニュイ別館 温泉旅館の宿泊記 塩素消毒しない 源泉かけ流しの温泉宿 温泉旅行