おじさん
私のおじさん達は皆明るく、可愛がってもらいました。
私は皆好きでした。
有名な会社に働いていたり、お金持ちの人もいたけど、私が特に好きだったおじさんは、あまり目立たなく親戚の中でも静かな存在の人でした。
裏に住んでいたので、ちょくちょく(毎日)そのおじさんちに遊びに行っていました。
ある時、また遊びに行くと、そのおじさんがある椅子から黙って、いつもの自分の居場所に3歩ぐらいですが移動していました。
私は子供ながらに(おじさんが動いてる!)と思いました。
そしてその後(あ~私の座る場所を空けてくれたんだ!!)と思いました。
その何気ない優しさは50年経った今でも光景と共に忘れた事はありません。
私は20年ぐらい前から、
”優しいお父さんには女の子の子供が多いなぁ~(又は第一子が女の子とか)”って思っていますが、そういえばこのおじさんちも女の子3人だったなぁ~って。
ただ優しいの言葉にもいろんな意味があり、そういう家のお母さんも意外と共通しているものがありましたよ。
話は反れましたが
おじさんの家には、壁に
『福沢諭吉 七訓』
一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。
が飾られていて、私はいつも心で読んでいました。
当時小学生ではありましたが、何か良い言葉だな~って。
今日私は、そういえば七訓の中に『時間』と言う言葉が有ったかな~って思い、今調べに行きましたが、ありませんでした。
おじさんのお葬式の時、子供達も親戚も知らなかった、おじさんの一面がクローズアップされる事が有り、皆びっくりと、尊敬の念を表していました。
私は、その”知られざる一面”は、知らなかったけど、
おじさんの凄さは、
私が子供の頃、席を空けてくれた、あの何気ないしぐさや行動に全てが入ってる人だった気がしていたので、もしかしたら、おじさんを今まで一番尊敬していたのは、親戚中で私が一番だったのではないだろか!って今でも思っています!