10月末のことです。雨がそぼふる夕方でした。
運転が好きな私は 隣に夫を乗せて隣町から帰ってきました。
ある用事があり いつもの道ではなく、ひとつ下の橋を渡りました。
少し先に生協のトラックが個人配送の家に来ていたので 手前で左に寄り待つことにしました。
その途端『ガタッ』と左後ろで音がしました。
そうです。タイヤが脱輪しました。左後輪がすっぽり はまりました。
そんなに深い溝ではないので タイヤが挟まり 宙に浮いている感じです。
運転を夫に代わってもらい ふかしてもらいましたが抜けません。すぐ 近所の ご主人が 駆けつけてくれました。
車に詳しい人で『この車は前が重たい車だから 後ろを何人かで持ち上げれは上がるはず』と。
すぐ 近所の男性に声をかけ、トラックの運転手二人、郵便局からは局長さんと たまたま来店されていた男性も含め 6人で持ち上げて 脱出できました。
ある奥さんは 小雨の中 傘をたくさん持ってきてさしかけてくれました。他の女性陣は心配そうに見守ってくれ、車が持ち上がると拍手してくれました。脱輪は残念でしたが 皆さんの優しさに感動した日でした。
昭和5年秋 放浪の俳人 種田山頭火が 当地で この句を詠んだのも 同じ頃でした。
しぐるゝや
人の情けに
涙ぐむ