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ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第4話 ベイタの出番!

2023-03-23 21:20:28 | ベイタ・ダレル
37第4話ベイタの出番!
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第4話 

ベイタの出番!

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きについては続いて読者の努力に委ねます。

37

ロア ベイタ、今朝ラベンダー畑にいたらね、変なおじさんがなんか探しているみたいな...なんでこんなところにって聞いたら、「アルーニンやガールのやつら、俺を煙に巻きやがって...」と呟いて、「すまんすまん、あんたには関係ないがね」と言って帰って行ったわ。
 ホントのこと、教えていいかどうか、ちょっと考えて、その前にあなたに相談してみよう、と思ったのよ。

ベイタ ロアお母さん、もしかしたら、その人、ミス...。エブリング・ミス博士だわ。
 もうソロソロ会ってみようかと思っていたところなんです。

 きっと隠された秘密を探し回っているのよ。ハーディンやアルーニン以来、心理歴史学の神髄が突然消え失せてしまったのです。
 それと第二ファウンデーションの正体が、です。

ロア 第二?ファウンデーションがもうひとつ!

ベイタ そうよ。知識人とあるグループだけは、その存在を知っているのですが、その正体は、誰もわかっていないんです。

 博士が、それに気がついたのには、その時期がソロソロ来たんだわ。きっと。

ロア ベイタ、あなたはなんの学者なの?「その時期」?

ベイタ お母さんは心配しなくていいわ。

 わたしの出番もいよいよね。(ロアには聞こえないほどの小さな声で)

yatcha john s. 「 ベイタの出番!」


ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第3話 心理歴史学の弱点?

2023-03-22 18:57:44 | ベイタ・ダレル
36第3話心理歴史学の弱点?
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ 
第3話 

心理歴史学の弱点?

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイラ・バーは生きていた。マルレイラは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

36

シーウィー セルダンだって、人間だ。予言者ぶってるだけじゃないのか?

ロア シーウィー、確かにそうかもしれない。 ある時限からは無理だと思うの。でも私ね、何か胸騒ぎがしたのよ。セルダン。ハリ・セルダンっていう人は、人類の全体を説明できると言って、個人だけの能力は把握できないのが、心理歴史学だと言ってるんだけどね。ちょっと違うんじゃないかと思ったの。それにここターミナスに戻って来られたのも単なる偶然じゃないかも知れないってね。
 
シーウィー ロア、どう違うってると思うのかい?

ロア 実はね、偶然発見しちゃったのよ、ドーニックが住んでた家の地下室のまたその下に、もう一つの地下室があったのよ。そしたら、ドーニックの書いた記録が床の下にあったの。それは100ページものノートだったわ。それをざっと読んだのよ。そしたら1週間後にそれを置いておいた場所から消えていたのよ。間違いないわ。誰かが盗んだとしか考えられないわ。
 
シーウィー なんて書いてあったんだい?

(以下ロアの暗記の文=ガール・ドーニックのハリ・セルダンへの『故郷星探査報告書』の写しの冒頭)
 「このノートを読めば、ハリは分かるはずだ。頼まれた調査、探索は無事完了した。明日、トランターから来るアルーリンに渡すだけだ。この記録をハリが読んでくれるのを祈るだけだ。彼の寿命が尽きるまでに。彼が予測した通り、500年先には必ず、3万年続くはずの衰退、混沌、無秩序に光明を見いだせる。彼はわざと300年後のセルダン危機にターミナスを欺いて、虚偽の報道を時間霊廟ですることになる。セルダン理論は不完全だったと思わせなければならないと。私としては、これもまた、我が子孫の奮闘に委ねるほかない。」
 という書き出しだったかしら。

シーウィー ロア、俺にはなにがなんだか、全然わからないんだけど。
 ありゃー、もう時期、300年経ったんだったよね!

 ごめん、大事な用事があったんだ。これからエブリング・ミスさんにヘイブン産のタバコを持っていくんだ。

ロア ベイタ(娘)も言ってますよ。そんな父さん、大好きだってね。クスクス!

https://youtu.be/n0mysFZK074

yatcha john s. 「心理歴史学の弱点?


ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第2話 ポニェッツの秘密 

2023-03-21 21:58:49 | ベイタ・ダレル
35第2話ポニェッツの秘密
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第2話 

ポニェッツの秘密

物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第六部「ベイタ・ダレル」の大枠

34 第1話 ベイタから母ロアに宛てた手紙
35 第2話 ポニェッツの秘密
35 第3話 心理歴史学の弱点
36 第4話 ベイタの出番
37 第5話 ミュータント
38 第6話 白とピンクの星
39 第7話 束の間のバカンス
40 第8話 espionage
41 第9話 ターミナスがミュールに占領された!
42 第10話 第2ファウンデーション
43 第11話 三百年目の晩餐会
44 第12話 星界の涯

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイラ・バーは生きていた。マルレイラは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

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(全文、ロアの娘ベイタに宛てた手紙。因みにロアの母はジータ。彼女は、誠実で働き者の青年シーウィーをロアの婿に迎い入れる。それまで、スミルナで平穏な暮らしをしていた。ロアの時代になって娘ベイタが大学生活のためにターミナスに行ってから、にわかにベイタの要請で、先祖の土地ターミナスに帰ることとなる。
 先祖が住んでいたガール・ドーニック農園を再び買い取るのであった。そこのラヴェンダーに新たな変化があったからである。)

 ベイタさんへ。一人でターミナスに行かせて、ホントにごめんなさい。言われた通りに、もうすっかり後片付けが終わって、そちらに行く準備が万端ですよ。シーウィーはなんかぶつぶつ言ってますけど、心配ないわ。
 実はね、この手紙を書いたのには訳があるのよ。あなたも私のアルカディアおばあちゃんがハーブの専門家だったって知ってるわよね。ハーブはざっと挙げても 45の重要な効用がありますね。そして千の疾患に効いて、万病の予防になるってことも。その中でも、抗不安、免疫力アップ、浄化があるわね。その「浄化」っていうことに何か秘密があるみたい。
 このあいだ、アルカディアおばあちゃんの日記を見つけたのよ。それを読んでて「ハッ」としたことがあったからなの。早く知らせなきゃ、と思ってね。
 そのアルカディアおばあちゃんが『ポニェッツの秘密』を見つけたと記してあるわ。
 彼ポニェッツ(初代アルカディアの友人、アルシアの自称保護者)がラヴェンダー商売で銀河を駆け巡っているとき、運悪く宇宙船の操縦装置の故障であわやブラックホールに吸い込まれそうになって気を失ってしまった時、「不死の従僕」と名のる正体不明の人物が夢に現れ、「心配するな。積み荷のラベンダーも大事ない。そのラヴェンダーをドーニックの農園に植えろ。」と言ったそうよ。
 あなたが見たガール・ドーニックの農園だけ、ラヴェンダーが咲いているのは、その「ポニェッツの秘密」らしいのです。その効用ときたら、「絶対不可能と言われている放射線物質の除染」と明記されてるわ。不思議ですね!

 ベイタさん。私の好きな詩を添えるわね。アルカディアの詩よ。

 「 ハーブ ハーブ 香る
すべての挨拶より香しい
滲みる 心に
すべての音楽より麗しい
ハーブ ハーブ 香り立つ
愛が世界へ 
今 
時を超えた 
涙 」
             母ロアより

yatcha john s. 「 ポニェッツの秘密」


ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第1話 ベイタ・マロウより母ロアへの手紙

2023-03-20 21:46:52 | ベイタ・ダレル
34第1話ベイタ・マロウより母ロアへの手紙 
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル 
第1話 

ベイタ・マロウより母ロアへの手紙


あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。
 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。
 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。
 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きについては続いて読者の努力に委ねます。

 ベイタは、モーヴで、学問に励み、彼女の女系先祖やガール・ドーニックの輝かし業績に触れ、ガールの遺志を復興し、継ごうという旨の手紙を母ロアにしたためる。

34
「ガイアへの労り、ガイアへの共感は第二次世界大戦後の自然破壊、二酸化炭素排出量の急激な指数関数的増大に目覚めたわずか少数の人たちによってはじめられた。
 当時人類はその正気を失い、とくに北半球の資本家たちはとめどもない欲望を南半球の人たちへの搾取という形で剥き出しにしていった。
 廉価な労働力確保はさらに冷戦後、まるで止まることのない列車が一寸先に断崖絶壁があるのを知らないで加速度をあげて突進していくようであった。
 南半球の残酷な光景はもはや地獄と化していった。そしてすぐその残酷への報いが自分たちの方へ方向を転換してきたのに気づくのは時間の問題であった。
 社会の全機能が麻痺してきたのだ。『ジョン・ナックの歴史思想書』より」

(全文ベイタ・マロウの母ロアへの手紙)
 ロアお母さん、お元気ですか?私(ベイタ)はモーブで勉学に励んでいます。もうすぐ卒業論文を書く時期です。
 郊外の先祖様たちが開拓したラベンダー畑はそれはそれは見事です。その一画にターミナスの最初のご先祖、ガールやベリスの家が今でもあったのです。どうでしょうか、シーウィー父さんとご一緒にターミナスに戻って来られては。

 お母さん、ターミナスではもうティー・ツリーやラベンダーの生産はどこでもしてなくて、不思議にここだけ残ってるのです。先祖のおばあ様たちが、開墾したアグリフォレストリーもスミルナからシウェナやネオ・トランターやカルガンに移ってしまったのですから。

 なぜか「児童のための知恵の書」を読んでいましたら、はるか昔、あるロボットに助けられて、ジョン・ナックという科学者がアタカナという星から人々をニフの星に逃がした、という文を見つけて、それがなんだか、ターミナスじゃないかと思ったのです。
 お母さん、私、ご先祖様たちのようなお仕事、してみたいのです。できるかどうか今はわかりませんけど。
 
 シーウィー父さんと故郷が同じだと言って、トランさんという若者がよくアパートに訪ねて来て、食べきれないほど果物を届けてくれるのです。なんか、彼の叔父さんと父さんは親友だったとか。故郷の星はヘイブン。いい名前ですね。
 でも、その商人グループの名前が、「独立貿易協議会」と言って厳めしいんですけどね。
            ベイタより母ロア様

yatcha john s.


ファウンデーションの夢  第七部  ベイタ・ダレル   第13話  星界の涯

2022-11-13 12:44:15 | ベイタ・ダレル
46第13話星界の涯
ファウンデーションの夢 
第七部 
ベイタ・ダレル
第13話

星界の涯

あらすじ

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)に住んでいたのでしばしば泊まりに来ていた。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。

 最後の救いの砦であったファウンデーションの遊軍、独立貿易商人協議会連合の星々も、戦意を喪失。ミュールの圧倒的な感応力の前ではなすすべもなかった。ヘイブンに一時避難したベイタ夫婦とボボとエブリング・ミスは、トランターに赴くことになった。ランデュはボボの存在に何かを察するようになったが、ランデュは残った。

 トランターでは、旧ストーリーリング大学付近の自称コンポレロン人たちの農村共同体が300年祭の催し物の準備で忙しくしていた。そこの村長、リー・センターは彼ら4人を丁重に向かい入れてくれた。

 彼ら4人を、トランターの農村指導者家族は丁重に、ファウンデーション300年祭の晩餐会に、趣向を凝らして招き入れた。その席には同じくネオトランターから来ていた(?)、一応議会議長と言う立場の、ヴェナ・ビリ女史がいた。

 エブリング・ミスはボボと一緒にストーリーリング大学の一室に籠って、当のミス博士は食事も絶って一心不乱に調べものに没頭していた。
 
 事件が突然起きたのは、そんなやさきだった。エブリング・ミスは、何かを発見して、訪ねて来たベイタに口を開こうとした瞬間のことだった。

 ヴェナ・ビリ女史も程なく息を引き取る(停止する)。

 そのエブリング・ミスとボボがいた場所が、300年前のハリ・セルダンの心理歴史学の研究室であったことがわかるのは、ベイタ・ダレルの孫アルカディアがトランターを訪れてからのことであるのだが。
 

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リー・センター やれやれこれでいい!我ながら完璧だった。
 ドースさんの申し出は、心が痛かったが、望んでた結末だった。
 最初はミュールが人の感情をコントロール出来る変異体とは思わなかったので、戸惑ったが。

ウォンダ お父さん。それは自画自賛過ぎない?結局、なにもしなかったんじゃない!

リー ウォンダ、それは親の心、子知らずだ。何年も前から準備はしてた。筋書きを書いたのは私なんだから。
 まだお前は知らなくていい。
 
ウォンダ そんな、今回の大役のご褒美で、それを教えて頂戴。

リー どうせ言ってもまた私を嫌悪するだけに決まってるが、まあ教えてあげよう。
 故郷の星の古い諺にもある、「蛇のように狡猾で、鳩のように素直であれ」、とな。
 またファウンデーションのハーディンの名言にも「いいことをするのにちゃちな道徳心に振り回されるな」ともね。それが第零の法則なのだよ。ハリ・セルダンはデマーゼル、いやダニール・オリヴォーから、ここで教わった!!

ウォンダ どう言うこと?具体的には?
 
リー あとは自分で考えるんだな!今頃は、ドースさんの体は、デマーゼル、じゃなかった、ダニールさんか、レオナルドさんが引き取りに来ている。
 ベイタさんは、私の恋敵(がたき)のランデュのヘイブンに着いた頃だ。

 あと二三秒の違いでうまくいった。ミスさんは可哀想だったが、死ぬ直前、ここが第二ファウンデーションだとわかっただけでも本望だったに違いない。
 第二ファウンデーションの人間は感応力に優れているだけじゃ、だめなのだから。演劇にも優れていなくてはならない。

ウォンダ まあ?! じゃあ「星界の涯」ってここのことなんですね、お父さん。
 
リー そういうことだ。銀河は星の渦で空間が歪んでいる。天体物理学を学べば、わかるはずだ。そうだ、少しは進歩したな、ウォンダ、起点が終着点になる!

yatcha john s.