ファウンデーションの夢 第一部 ダニールの地球探索 第5話 ガイア|YASUKAZU @yiyin31405222 #note https://note.com/yinyi/n/n08690f32fae9
実は日本には独立自尊の法律があった
「御成敗式目」という法律がかつて日本にはありました。
北条泰時(三代執権)は、当時の評定衆と諮って、1232年8月、武士社会の健全な常識すなわち「道理」を基とした先例をみない、全51ヶ条からなる鎌倉幕府の新しい基本法典を完成させました。
完成に当たって泰時は六波羅探題として京都にあった弟の重時に送った2通の手紙の中で、式目の目的について次のように書いています。
「多くの裁判事件で同じような訴えでも強い者が勝ち、弱い者が負ける不公平を無くし、身分の高下にかかわらず、えこひいき無く公正な裁判をする基準として作ったのがこの式目である。京都辺りでは『ものも知らぬあずまえびすどもが何を言うか』と笑う人があるかも知れないし、またその規準としてはすでに立派な律令があるではないかと反問されるかもしれない。しかし、田舎では律令の法に通じている者など万人に一人もいないのが実情である。
『式目』は漢字も知らない地方武士のために作られた法律であり、従者は主人に忠を尽くし、子は親に孝をつくすように、人の心の正直を尊び、曲がったのを捨てて、土民が安心して暮らせるように、ごく平凡な『道理』に基づいたもの。」
『御成敗式目』は日本における最初の武家法。それ以前の律令が中国法、明治以降現代までの各種法律法令が欧米法の法学を基礎として制定された「継受法」であるのに対し、式目はもっぱら日本社会の慣習や倫理観に則って独自に創設された「固有法」という点で日本法制史上特殊な地位を占めています。
「式目」はそういう意味で日本初、唯一の日本人的法規範でありました。
そしてそれは、中国由来の律令によらない、いわばそれ以前の日本人の本来の縄文の精神に繋がるものの復活であったと思うのです。
それは、同時に今日本人が是非とも必要とする新たな将来の、かつまた本来的な国家イメージを構築させるための、模範となる指針を差し示していると思うのは、僕だけでしょうかねぇ。「道理」がいつでも必要でしょうね。
写真は北条泰時の絵

184第2話白瑪瑙のイヤリング
ミーターの大冒険
第九部
エピローグ
第2話
白瑪瑙のイヤリング
あらすじ
ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号は太陽系の第4惑星の火星でついに、待望のダニール・オリヴォーに面会できた。
それからダニールの月面基地から地球の放射能除去溶液と装置の準備を調(ととの)えて地球に降下して行った。
人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。
R・ミーター・マロウは、不死の従僕ダニール・オリヴォーに助けられて、主人アルカディアの志しをいまや成就させようとしていた。
彼らの地上での行動はミーターは別として、2時間と制限されていた。
そのイルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。
放射能除去に必要なポニェッツ仕様のラヴェンダーエキスとオーストラリア産のデオライトの混入液を水蒸気発生装置でフニ山頂から昇化させ、地球上の各地山頂から同様に実施させていった。
案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。
流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。
ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸をも踏破していった。
その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。
その粉末の正体は、ナノサイズに加工された地球上のほぼ全種類の植物の種だった。雨が降れば、地球の緑化が再生する。
ミーターがその特殊蒸気発生機の最終段階でかつてオーストラリア大陸と呼ばれていた地域のタウンゼント山頂で早朝シルクベットから起き上がった時だった。しっかりとして威厳のある響きが頭上からあった。
ダニールはミーターに、2つの任務を依頼した。
地球の古代の伝説「ノアの方舟」にあるような大量な雨が1ヶ月以上も地表に降り注いだ。
その結果、大気中の放射能濃度は、驚くほど減少していった。
1番目のダニールからの任務依頼を終了後、ミーターは、約束していたミーターはニフの中央東に位置する海岸から切り立った小高い山頂に夜明け前に到着した。
そこにダニールとペイリー・リャンが待ち受けていた、3人は、海中から浮かび上がる緑色の光を目撃する。
それからほどなく、東の水平線上に陽が昇って来た。
ダニールは、ミーターに「カビレ」の本当の意味を解き明かす。そして地球放射能除去の段階の終了を宣言する。
ダニールはミーターに幼女ペイリー・リャンをミーターにファー・スター2世号の新メンバーに加えてもらうよう頼む。
彼らは、アルカディアの残りの悲願に向かってファー・スター2世号に改めて乗り込む。
184
ミーター それにしても、ペイリーさんの耳たぶのイヤリングがすごく気になりますね!なんかのおまじないですか?
ペイリー これね、パパが、「お前のいわれを忘れてはならない」と小さいころからつけさせられているんです。
ミーター へえ、どういう「いわれ」か、教えてくれないか。
ペイリー はい、いいですよ。思い出しながら話せば、もっといいことが起こりますからね。
ミーター ヤッパリおまじないなんだ。アルカディア家の「直感、感応...再生」と同じようにな。
ペイリー そのおまじないなら、知ってますよ。パパのオリジナリティだったんですから。
ミーター えっ!そうだったんだ!てっきり、アルカディア家の独創かと。
それで、そのイヤリングについては?
ペイリー 白瑪瑙のイヤリングよ。
ニフの古代のある地域の女性たちのおしゃれだわ。確か、「ナカ」という地方よ。「ナ」が「耳たぶ」、「カ」が白瑪瑙よ。
白瑪瑙の由来は、心のバランス、そして人と人の調和。それから潜在能力の可能性思考だと。
イルミナ そうね。「心のバランス」、「人と人の調和」、「潜在可能性」ねぇ!
私たちのモットーにしたいわね!
古代の言い伝えでは、ある男性が川で湯浴みをしている女性に恋して、求婚し、白瑪瑙のイヤリングをあげて、それからその地方の王様になれたとか。
それから、その地方の女性たちが年頃になると耳にそれをつけるようになった、という言い伝えよ。
それからこの人たちはニフの遠い東の地方に移住していったと言われています。
伝説では、ジョン・ナックもその地方の出身だと教わったわ。
その「移動」を思想まで発展させたのが、ジョン・ナックだと、パパは言ってました。
ミーター それは意味深い物語だ。
第零の法則か?その移動の思想はその『児童のための知識の書』の心髄だね。
ペイリー 驚きました。どうしてそのことをミーターさんはご存じなのですか!!
その本を、パパは私の子供の頃から読み聞かせてくれたんです!
ペイリー 白瑪瑙は、心を愛で満たす意味と効果があります。
そして、寂しさ、孤独、悲しみを、優しく癒すパワーがあるのです。
この天涯孤独の私を拾って、慈しんで、育ててくれたのはパパでした。
ですから、私は瑪瑙は「第零の法則」のシンボルだと勝手に考えています。
それにしても、私は、ミーターさんの胸ポケットが気になりますね?
ミーター これか。このなかには大事なシリンダー・ペンダントが2つ、入ってるんだよ。
透明と紫のがな。いずれ、時期が来たらお見せしよう。アルカディアの大事な遺品だからな。
ペイリー ミーターさんたら、ホントにケチなんですね!

4第4話What a genius !
ファウンデーションの夢
第一部
ダニールの地球探索
第4話
What a genius !
前史
銀河暦 12028年
ダニール・オリヴォー、宰相を辞任。ハリ・ セルダン、宰相になる。
銀河暦 12038年
ハリ・セルダン、宰相を辞任。
銀河暦 12040年
ウオンダ・セルダン生まれる。
銀河暦 12048年
ドース・ヴェナビリ、死去。ベリス・セルダン生まれる。
ハリ・セルダンの盟友ユーゴ・アマリル没。
銀河暦 12067年
ハリ・セルダンに対する裁判の結果、公安委 員会は百科辞典財団をターミナスに放逐。ガール・ドーニックファウンデーションの51番目の委員になり、第1ファウンデーション全般を仕切る。ボー・アルーリン、ガールを補佐し、第2ファウンデーションとの繋がりを助ける。
あらすじ
セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。
漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。ダニールは、以前にしたように、ヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話し出した。ダニールは、彼の非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。
わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。
4
「努力を惜しまないんだ。“天才は成すべきことを為し、秀才は為しうることを為す” しかしハリは自分のことを秀才にすぎないとしか言わない。」
彼はハリのことを思い出して、目の前の盛んに喋るガールの話しを聞いていた。驚いた、彼は一万三千年二百年前の、私が企んだ歴史消失以前の知識を掘り起こせる感応力があったのだ!
まだ時期尚早だ!しかし彼の能力と知識はいずれ応用することにしよう、そしてニフ人たちの努力を。
彼らは地球の自然を完璧に移植してから、大学の図書館にへばりついて、まず地球時代の全知識を百科辞典として編纂した。それから独自の宗教を考案して、周囲の星ぼしを精神的に支配した。さらに貿易で威を振るった。そして科学で覇を顕にして、ついに軍事だ。ここまでだ、この段階はいかん。
今、この青年を、学会に行かせる訳にはいかない。数学の能力と少しの感応力を残して、あとは申し訳ないけど、消去だ!
これより約500年後、この若き青年学者、ガール・ドーニック。彼から繋がる翻訳・通訳ロボットと盟友女子が、ガール・ドーニックの能力を甦らせ、銀河の全歴史記憶を復活させることは、この時点では、R・ダニール・オリヴォーはまだ知らない。
yatcha john s. ファウンデーションの夢 ダニールの地球探索 4 「 What a genius !」