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記憶のメカニズムと効果的な学習方法

2012-10-10 17:39:22 | インポート
 一度経験した事柄を何らかの方法で保持し、必要に応じてそれを利用する働きを「記憶」といいます。記憶の過程はある事柄を覚えること「記銘」からはじまります。これは、意識の過程から無意識の過程へ貯蔵する行為と考えられます。
 そして、一度無意識のなかに貯蔵した事柄をある時間維持していくのが「保持」です。テストに備えて記憶した英単語や漢字は、試験当日まで「保持」しておかなければなりません。テスト本番を迎えたら、それまで無意識の中に「保持」していた英単語や漢字を意識のなかに取り出して答案用紙に書かなくてはなりません。それが、「想記」です。
 しかし、テストが終わり、再び「想記」することがないと、記憶の「保持」が低下してきます。これが、「忘却」です。ドイツの心理学者エビングハウスの実験によると、私たちの脳は1時間後には学習内容の56%を忘れてしまうそうです。1日経つと66%、1ヶ月後にはなんと79%を「忘却」してしまうそうです。この「忘却」をできるだけ防いで、効果的に学習するにはどのようにしたらよいのでしょうか。
①過剰学習(繰り返し学習) 
 一度覚えたことを何度も反復練習する。無意識の中に「保持」した記憶内容の「忘却」を防ぐためには、何度も繰り返し学習し直すことがもっとも大切なことです。   
②有意味学習  
  記憶には、年号のように学習内容を論理的なつながりのないまま暗記する「機械的記憶」と、学習内容の意味を考え、全体的に関連づけながら記憶していく「論理的記憶」があります。この論理的記憶の仕方が、いわゆる「有意味学習」でなるべく、関連づけた記憶の仕方が学習効果を高めます。同じ英単語を覚えるのにも、head,face,hairなどのように身体の部位の名称をまとめて覚えるというように何かと関連づけた記憶の仕方を工夫をすることで「想記」しやすくなります。  
③集中学習
 学習時間のかけ方には一定時間集中して行う、「集中学習」と何回かに分けて行う「分散学習」がありますが、一般的に、論理性の高い学習内容は「集中学習」が効果が高く。 運動技能の学習は「分散学習」が優れていると言われています。
④系列的位置効果
 私たちの記憶は、最初の部分と最後の部分が最も「忘却」が起こりにくいとといわれています。とすれば、覚える順番を忘れやすいところからはじめるというのが学習効果を高める方法の一つです。