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価値観の違いは埋められるか?

2012-11-16 21:20:20 | インポート
 離婚の原因で最も多いのは「性格の不一致」ということのようです。男性の61.4%、女性の44.2%が離婚原因の第1位にあげています。離婚原因の第2位の「浮気」等異性関係によるものが、それぞれ男性17.9%、女性29.4%であるのに比べると、いかに「性格の不一致」による離婚が多いかおわかりになるかと思います。
 夫婦として過ごす長い年月のなかで性格が合わなくなってしまったり、溝ができてしまったというケースが多いようですが、考えてみると不思議な気がします。なぜなら、もともと二人の性格は異なっていたはずで、どちらかといえば、自分にはない性格に魅力を感じて結婚するのではないでしょうか。
 思うに、「性格の不一致」というより「価値観の違い」に「我慢」できなくなったということなのではないでしょうか。「価値観」というのは、生育した家庭環境で育まれるものです。「男のくせに」とか、「女の子だから」とか、読書やスポーツに取り組む姿勢も両親や保護者の価値観、養育態度に大きな影響を受けます。成長にともなってこの「価値観」は内面化されていきますが、これはきわめて「情的」なもので、客観的・論理的なものではありません。「情的」なものであるがゆえに、理屈では割り切れません。理屈では割り切れないものは、なかなか修正がききません。
 結婚するまでは微笑ましく映った相手の仕草や行動が、毎日の生活の中では許し難いものになっていったとしても、「価値観」が異なると、なかなかやっかいなことになります。価値観が異なる人同士で問題を解決していくためには、客観的・論理的に進めるのが良いのですが、相手から「あなたのそういう理屈っぽいところが嫌い。」と言われてしまうと話しは通じなくなります。
 では、この価値観の違いの溝はどのように埋めたらよいのでしょうか。離婚原因に性格の不一致をあげる女性からは「夫からの感謝の言葉がまったくない」といった不満の声が多いといわれています。客観的に互いの価値観について話し合うことも大切かもしれませんが、まずはパートナーの価値観を無条件で尊重し、その言い分にじっくり「耳を傾ける」(カウンセリングでは「傾聴」といいます。)ことが大切ではないでしょうか。