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正しい「ひきこもりの」の方法? №220

2014-06-17 21:55:13 | 日記
 厚生労働省によると、「ひきこもり」は、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態。時々は買い物などで外出することもあるという場合も含める。」と定義されています。
 2013年の内閣府による15歳~39歳対象の調査によると、23.5万人が「ひきこもり」の状態にあるということです。また、普段は家に居るが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出するという「準ひきこもり」の人が約69万人で、これらの人を広義の
「ひきこもり」と換算すると、69.5万人と推計されるようです。
 評論家の芹沢俊介氏の「引きこもるという情熱」(雲母書房刊)によると、引きこもりには、「往路」、「滞在期」、「帰路」というプロセスを踏む正しい引きこもりのしかたがあり、どこかで路を間違うと、社会に戻ることができないとありました。
①往 路(ひきこもりになる時)  社会との関係や、社会的自己からの撤退時期。 
②滞在期(ひきこもっている時)  自己領域に滞在し、自己を治癒する期間。
③帰 路(ひきこもり終結の時)  自己領域の滞在を切り上げ、ひきこもりが終わる。
 芹沢氏は、誰にも邪魔されずに自分の中に閉じこもっている状態、いわば繭の中にこもっている状態が「自己領域」で、それが保証される空間が必要だといいます。その空間に十分引きこもることができた時、はじめて、「自分は自分でいいのだ」という自己肯定感にたどりつくことができ、帰路につけるといいます。
 本人が十分に自己の中に滞在してそれまでの社会的自己から脱皮できないうちに家族や精神科医、心理カウンセラーが無理やり引き出そうとすると、「新しい自己を再生」できずに、引きこもりから抜け出せなくなってしまうようです。
 では、その滞在期にはどれ位の期間が必要なのでしょう。保護者の人たちにとっては一番気になるところですが、「それは、引きこもっている本人が決めることです。」というのが芹沢氏の答えです。1年かもしれなしい、10年かもしれないということです。
 保護者にとって、それを気長に待つのは本当につらいものがあると思います。ただ、芹沢氏によると、完全に社会的自己と遮断した状態で「ひきこもり」にならないと、滞在期の入り口でいたずらに時間を費やして長引いてしまうようです。
 それまで肯定的な社会的自己をもてなかった人や社会的自己を否定されてきたが、あるがままの自分を認め、自己肯定感を持てるようになることは簡単な作業でないことは容易に察しがつきます。その作業には、情熱というよりむしろエネルギーが必要ではないかと思います。
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