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「直感」に頼ることに潜む危険な罠 №252 

2017-05-04 13:39:47 | 日記
 私たちは、合理的な判断や難しい選択に迷ったとき、しばしば考えることを中断して、「直感」に頼ることがあります。「ひらめき」や「直感」を大切にして、最初から深く考えることなく物事を決める人もいます。しかし、「直感」に頼った決め方には、スピードがある分だけ精度に欠けるところがあるようです。
厳密な論理で一歩一歩問題解決に迫るアルゴリズムとは別に、「直感」ですばやく結論を出す方法を「ヒューリスティスクス」といいます。ヒューリスティスクスは、日常生活の多くの場合に有効ですが、その性質上、トラップ「罠」が存在するので、このことを自覚することが重要であると警鐘をならしたのが、行動経済学という概念を提唱してノーベル賞を受賞した心理学者カーネーマンです。
 彼は、私たちは確かな手がかりのないまに「直感」に頼りがちで、そのために非合理的な判断や意志決定をすることを実証しました。このことを「ヒューリスティスクス」によるバイアス(偏り)といいます。この認知バイアスのトラップ(罠)として以下の3つがあげられています。
1 典型的なものを手軽に判断に利用してしまう「代表性」のトラップ
  あの人はいつもにこにこしているから良い人に違いないという思いこみや、コイントスで3回続けて「表」が出たから
次は「裏」に違いないという確率の無視等があげられます。
2 日常的に簡単に利用できる情報で判断してしまう「利用可能性」のトラップ
  ある事象が起きる確率や頻度を考える際に、最近の事例やかつての顕著な事例など「思い浮かびやすい」事例と特徴に   よって、判断や評価の基準にしてしまうことで、デング熱や鳥インフルエンザなどマスコミが大きく取り上げるとあたかも すぐに自分に降りかかってくるのではないかと判断してしまうことです。
3 最初に示された特定の数値などにとらわれて判断してしまう「固着性」のトラップ
  最初に1万円と示され、次に8千円と示されるとそれが適正な値段であるにもかかわらず、お買い得と思って衝動買い  してしまうことです。必要であるとか欲しいというより、安さが意志決定の第一原因となってしまいます。本日限り、女  性半額、先着10名さま限りなどはすべてが根拠のない、思いこみによるバイアスです。

 御自分の「直感」に信頼を置いている方々は、そこに潜む認知バイアスのトラップ(罠)に充分注意してください。
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