まるぞう備忘録

無題のドキュメント

一滴。

2016-12-19 10:09:51 | まるぞう経営学

 先日ある業界の会合で初老の男性と話しをする機会がありました。彼はいろいろなベンチャー企業の面倒を見てきたと言います。私も小さなIT会社の経営者であることを知って、話しが盛り上がります。

 彼曰く、とにかくベンチャー企業は生き残るのは大変だ。10社以上見てるけど、生き残るのはほんの1社か2社だ。

 そうなのです。起業の成功率とはそのぐらいの確率であると統計でも言われています。うちの会社も何度も倒産の危機に直面していました。もちろん今だって全然安泰ではありません。

 ただ以前と違ってわかったことは、会社の売り上げと自分の謙虚さは比例しているということでした。これは私にとって本当に大きな発見でありました。その私自身の発見からうちの会社は変わったと言えます。

 もちろんこれはどの会社でも当てはまるという法則ではないでしょう。それぞれの企業にはそれぞれの課題がありますから。しかしうちのように小さな会社は「社長の魂の課題解決度合い」=「会社の売り上げ伸び度合い」という相関があるように思います。



 その初老の男性は尋ねます。まるぞう会社はどのくらいの売り上げ成長を目指しているのですか?

 もちろんベンチャーの代表であれば、自社のビジネスモデルはこうこうこうです。ですから弊社の売り上げはこのような成長を遂げます。こうなります。そのように理路整然とうとうとうと説明できるはずです。彼は私にその説明を期待したようです。そういうのが好きそうな方でしたから。しかし私はうむ〜。と黙りこくってしまいました。



 会社の売り上げが伸びるというのは、その会社の内なる因子の成熟度合いの結果であります。負の因子を昇華すること。正の因子を積むこと。その結果が自然と売り上げを呼び寄せる如きです。
 しかしもし「売り上げ至上主義」をとってしまうと、短期的に負の因子を増やして売り上げも増やす危険性があります。これはサラ金に借金して一瞬だけ景気が良くなるようなものです。


 ですから重要なことは、まず、会社の代表が負の因子を昇華し正の因子を蓄積すること。その次に組織として全員の負の因子を昇華し正の因子を蓄積すること。これが企業活動となります。
 社員とは同じ因子を持った人達が引き合って集まるわけですから、代表がその因子を掃除することが、まず重要であります。代表の個人的な因子の掃除で、その組織全体の因子の大部分が掃除できてしまったりすることでしょう。似たものの縁ある人達の集団ですから。


 では私には、会社の売り上げを大きく伸ばすためには、どれだけ昇華しなければならない因子があるのか。ふうむ。私は相当業が深いので、まだまだであるようです。たとえばそれは海の真砂(まさご)のようにも思えます。



 毎日毎日、私が昇華解決しなければならない因子は、順番に列を成してやってきます。それは「厄介な問題」「面倒くさい問題」というお面を付けて私の前に現れます。ですからそれが私の課題であることを知ることは簡単です。「厄介な問題」「面倒くさい問題」というお面は簡単に見分けられますから。


 たぶんきっとおそらく、負の因子の昇華の継続作業は誰にとっても忍耐のいる地道な作業であることでしょう。やってもやっても一向に自分の生活が好転しないように感じられる期間がずっと続きますから。
 しかしそれはある一定の昇華量を閾値(しきいち)として、自分の生活に変化をもたらすという事象であります。水を一滴一滴貯めて、ある日突然コップから水がこぼれだすような事象であります。





 ありがとうございます。





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5 コメント

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まだまだ負の因子があります。 (Unknown)
2016-12-19 11:04:09
一見、子供の問題としてみえる悩みも[親の負の因子]の昇華プロセスだったりする訳ですよね。
積善の家、余慶ありでしたっけ。
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Unknown (Unknown)
2016-12-19 11:50:24
まるぞうさん、毎日読ませて頂いています。
自営業です。毎日売上に悩み、12月の今月こそはと思いながらいつまでこの苦労は続くのか先を考えれば不安ばかりの日々です。
まるぞうさんのブログを読んで、このようなアドバイスをしてくれる先輩がいました。ただ、私は真剣に聞けませんでした。売上に結びつく理屈にどうつながるのかわからなかったんです。でも、今日のブログを読んでやっぱり私の仕事がうまくいくには、販売員に売上をあげてもらうには、私自身の負の昇華にかかっているのだなと確信しました。多分、このことはわかっていたことです。でも私が自分に負け続けて、他の理由を探したかっただけでした。
今日のブログ、とても気持ちにささりました。
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今目にした書類に (Unknown)
2016-12-19 18:00:30
お掃除のダ○キンの創業者の人が、事業説明会で参加者たちに「一緒に損をしませんか?」と話してそうです。説明会後に加盟したのは一人だけで、その一人が現在の社長とのこと。すごい呼び掛けだなあ、とまるぞうさんのブログを読んだ後だけに思いました。これって負の因子の昇華を積極的に行うってことかと思います。これはなかなか出来ることではないと思います。
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Unknown (Unknown)
2016-12-19 20:18:42
私だけが周囲のみんなに取り残されて、地味で誰からも評価されない作業を繰り返すだけの人生を送っていると感じてしまう。焦るし、情けない気持ちになるけど、その事は誰にも話せない。この現実は私が作った業だから誰も悪くないし、私が作った因子だから自分で始末しなきゃ。だから独り悶々と作業する。負の因子の昇華の継続中は、メンタルの弱い私にはとてもツライ修行でして。

今日まるぞうさんの記事を読んでなかったら、ダンナについ愚痴や八つ当たりして、また余計な因果を積むところでした。危なかったー笑。

一滴一滴の水が、いつかはグラスを満たす。淡々とがんばろう。

まるぞうさんの記事で、
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記事を読んで (うさぎのロン)
2016-12-19 20:20:06
 一滴ずつ地道にまっとうに生きる時間を大切に思わないといけないですね。自分の今というこの時も、グラスの一滴の存在なら尚更。
 今年もあと10日ほどになって見えてきた事は、想定外の事がどの国にも起こっているという事。もしかして、見ようする人には、この凄い時代が何なのか見えているのではないかしら。
 存在を込めて自分なりの綺麗な一滴になりたいと思いました。まるぞうさん、一滴という考え方、気に入りました(喜)
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