第１４代目当主逝く

父親の死に遭遇した。
我が家の１４代目当主は平成１８年９月３日８時４４分をもって６９年の生涯を全うした。
昨年、大腸癌を患い、肝臓－肺臓－脳ー皮膚と転移が認められ入退院を繰り返していたのだが、腰の尋常ならざる激痛から８月２９日夕刻より、国立小倉病院に入院と相成り、夜半になり脊椎もガンに冒されていることが判明。此処此れに至り薬石効無く万策尽きたようで近親者に招集をかけるに至る。数日間小康状態を保つも昨日未明に急変、鬼籍に入った。

裕福な家庭に生まれ勅任官の父親（鉄道省技官）との縁は疎かったものの、防衛大学校をトップクラスの成績で卒業し陸上自衛隊に任官。
後にバイク事故で脚に障害を持ち自衛隊を除隊、日立製作所に入社。組織の分社化に伴い化学系企業の現場を渡り歩き、子会社の社長を歴任６０歳の定年を機に退職。

趣味はピアノ、盆栽、姓名判断、マージャン、ゴルフ（杉本プロ、片山プロと親交）、パチンコと多彩で５０歳以降はヨットレースに熱中。北九州市新門司マリーナを拠点に北九州ヨットレース連盟会長を務める。
愛艇はピッコロ三世（２４ｆｔ）。パラプレーンにも食指を示すも叶わなかった。

勘が鋭く生まれながらのリーダー・指揮官タイプでぞんざいな物言いも許容される奥深さを持っていた。
任侠にいう親分・子分の関係を嫌味なく成立させる稀有の才能をもつ異邦人。

もうこの世の人ではない。合掌。最期の言葉は「真っ直ぐに」。