前回は市町村合併に夢のある話を書きました。
今回は,合併のデメリットを述べたいと思います。
1 ふるさとがなくなる
地名がなくなることについての感情的なものです(住民投票では,意外とこれを理由に反対する人が多いのも事実。感情論といっても馬鹿にできない問題です。)。
2 椅子がなくなる
首長,議員,役所職員(管理職)の椅子取りゲームとなり,私利私欲に走る人が出てくるおそれがあります(これは,人件費抑制というメリットの裏側になります。)。
3 きめ細かいサービスが期待できない
前回の良いこと編では正反対のことを言いましたが,大きくなりすぎることで従来は行われていたサービスを切り捨て,又は目が届かなくなるという懸念があります。
4 合併のための費用がかかる
コンピュータシステムの統合や看板,庁舎,基本インフラの整備などに費用がかかってしまいます。一応,このために特例債が出ると言いますが,これも所詮税金ですから・・。
と,このあたりまでは,よく耳にしますが,実は本当の問題点はここからです。
5 実は財政が豊かにならない。
合併特例債については,別途改めて問題点を呈示したいと思います。
それ以外についても,合併により抑制できる経費は,実は人件費程度で,しかも合併直後いきなり職員や議員がいなくなるわけではないため,人件費を抑制できるのは数年後になります。しかも,1%程度にしかなりません。
合併で財政が豊かになる,これを理由に合併を進めている市町村は,実は要注意です。
6 二頭政治,三頭政治の到来
市町村合併により,県会議員や国会議員の選挙区と市町村の規模がほぼ一致する場合が出てきます。その場合,民意を反映する気のない議員が台頭しているような街では,彼らが市長と同じことをやり出します。
結果,首長が2人,3人,4人と現れることと同じ状態になります。すると,あっというまに市政は停滞します。
7 派閥の誕生
強引に合併を行った場合,住民間に「旧A村」「旧B町」などの派閥ができてしまいます。この派閥は単なる感情論に止まればよいが,各派閥から市議会議員を誕生させるという不思議な慣習や,何をやるにも市政に一切協力しないなど様々な副作用をもたらす場合があります。
以上の通りですが,合併のデメリットは,すなわち「住民への情報提供不足」と「住民の意向に添わない合併」による結果,すなわち人災です。
言い方を変えると,ちゃんとした段取りを取れば,デメリットは限りなく軽減できると言うことになります。
次回は,合併政策自体の問題(特に特例債のあり方など)について説明したいと思います。
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今回は,合併のデメリットを述べたいと思います。
1 ふるさとがなくなる
地名がなくなることについての感情的なものです(住民投票では,意外とこれを理由に反対する人が多いのも事実。感情論といっても馬鹿にできない問題です。)。
2 椅子がなくなる
首長,議員,役所職員(管理職)の椅子取りゲームとなり,私利私欲に走る人が出てくるおそれがあります(これは,人件費抑制というメリットの裏側になります。)。
3 きめ細かいサービスが期待できない
前回の良いこと編では正反対のことを言いましたが,大きくなりすぎることで従来は行われていたサービスを切り捨て,又は目が届かなくなるという懸念があります。
4 合併のための費用がかかる
コンピュータシステムの統合や看板,庁舎,基本インフラの整備などに費用がかかってしまいます。一応,このために特例債が出ると言いますが,これも所詮税金ですから・・。
と,このあたりまでは,よく耳にしますが,実は本当の問題点はここからです。
5 実は財政が豊かにならない。
合併特例債については,別途改めて問題点を呈示したいと思います。
それ以外についても,合併により抑制できる経費は,実は人件費程度で,しかも合併直後いきなり職員や議員がいなくなるわけではないため,人件費を抑制できるのは数年後になります。しかも,1%程度にしかなりません。
合併で財政が豊かになる,これを理由に合併を進めている市町村は,実は要注意です。
6 二頭政治,三頭政治の到来
市町村合併により,県会議員や国会議員の選挙区と市町村の規模がほぼ一致する場合が出てきます。その場合,民意を反映する気のない議員が台頭しているような街では,彼らが市長と同じことをやり出します。
結果,首長が2人,3人,4人と現れることと同じ状態になります。すると,あっというまに市政は停滞します。
7 派閥の誕生
強引に合併を行った場合,住民間に「旧A村」「旧B町」などの派閥ができてしまいます。この派閥は単なる感情論に止まればよいが,各派閥から市議会議員を誕生させるという不思議な慣習や,何をやるにも市政に一切協力しないなど様々な副作用をもたらす場合があります。
以上の通りですが,合併のデメリットは,すなわち「住民への情報提供不足」と「住民の意向に添わない合併」による結果,すなわち人災です。
言い方を変えると,ちゃんとした段取りを取れば,デメリットは限りなく軽減できると言うことになります。
次回は,合併政策自体の問題(特に特例債のあり方など)について説明したいと思います。
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