佐藤泰志 『海炭市叙景』
小学館文庫 2010年
(初出:集英社 1991年)
北の町に暮らす人々を描く悲運の作家の遺作
「海炭市叙景」は、90年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作です。海に囲まれた北の町、「海炭市」(佐藤の故郷である函館市がモデルです)に暮らすさまざまな人々の日常を淡々と描き、落ち着いた筆致の底から、「普通の人々」の悲しみ . . . 本文を読む
2010年12月の忘年会の席で、会員それぞれの本年のベスト本の発表がありました。一年間、涙あり、笑いありの読書生活、みなさんのお読みになった本も、この中にありますか?では、発表、いってみましょ~~~~!自分にしては珍しく、すべて新刊書です!い)ポール・トーディ『イエメンで鮭釣りを』(白水社) その絶妙なるユーモアと、現実離れした夢を追う男の姿がこの上なく美しいろ)辻原登『許されざる者』(毎日新聞 . . . 本文を読む