〈読書会〉おもしろ☆本棚

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2024年10月の課題本『時穴みみか』

2024-11-02 19:57:51 | ・例会レポ

出席者 7名

自分も未読でしたが、課題本に推薦した理由は、平成の小学生が昭和49年にタイムスリップするというストーリーなので、おもしろ本棚会員の年代にはハマるのでは、と思ったこと。

出席者は、当時、主人公のみみかやさらと同年代だった人、お姉ちゃんと同年代だった人(私もそうです。この年に宝塚のベルばらも観ました)がほとんどで、本の感想以上に、これ覚えてるよ! これはちょっと実際の年代と違う、など昭和の思い出がいろいろ語られ、本にでてくるお菓子チロリアンも配られました!
作者自身は多分さらと同い年、その昭和体験が反映されているのかと思います。
主人公を小学6年生にしたのが絶妙、子供ではあるけれど、ちょっと大人の世界も見え始めた年代。
その性格も、子供らしくなくいろいろ考えたり、本心を隠したり、複雑に屈折しているところが、同じような性格だった元少女としては、わかるよ!と言いたいところもありました。

出席者からは、内容については昭和のあるあるが嬉しい、懐かしい、それもあって読みやすい、ラストはびっくり、おもしろかった、という感想がある一方、タイムスリップという設定に関して、さらはどこに行った? なぜみみかは過去に行って違う年齢になったの? 過去につながるあの穴は何なの?など、もやっとした気分の人が多くいました。

そういうことに関してはSF好きの会員から、この物語は過去に行ってるけど、SFではなくファンタジーである、そう思って読むべき、とのコメントが。
みみかが昭和に行ったというより、みみか(の精神)がさらに憑依したと考えるのが妥当。
小松左京や半村良など、タイムスリップものの傑作はあるが、タイムスリップは切ない!
時間は変えられないーー
「時をかける少女」のラストの切なさと言ったら…!
この本もどう終わるのかと思ったら、やはり切なさがあり、ちょっとうるうるしました。
とのことでした。
別の会員からは過去は変えられないが未来は変えられる、という言葉や、なんで戻れたの?とか深く考えず、楽しく読めばいい、という意見も。

講師からは何故、先導が猫なのか? 何故、行き先が小岩井家なのか? という問題提起あり。
猫に導かれて異世界に行くのは「不思議の国のアリス」のイメージもあるのか?
最近亡くなったピーコと昭和の時代、高校の同級生だった講師は、この本を読んだ後、ピーコの夢を見たということでした。

平成の小学生も昭和の小学生や高校生も好きだった宝塚、
変わらないものの象徴ということと思いますが、
ベルばら、
お話にあるように昭和49年初演、今年が50周年で、記念公演もありました。
来年1月にはアニメ映画が公開されるそうです。

https://verbara-movie.jp/

タイムスリップは切ない、私は原田康子の「満月」が切なくてすごく好きでした。
これも原田知世主演で映画化されています。
原作は、入手困難かも。
あと藤野千夜も大好きと言っている広瀬正「マイナス・ゼロ」、私も大好きです!

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