朝日文庫 626円
12年ぶり、待望の書き下ろし長編小説。親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。青空薬局で棒つきキャンディーを買って、その包み紙で小鳥ブローチ . . . 本文を読む
河出文庫 ¥799
千年の時を超え、現代に生きる源義経が、自らの怒涛の生涯を語り出す。激烈に滑稽で、激烈に悲痛な魂を描く、著者の新たな代表作。 ちなみに『ギケイキ2:奈落への飛翔』(河出書房新社 ¥1,836)も発売中!
例会は 9月27日 木曜日 19:00〜 . . . 本文を読む
井上ひさし『吉里吉里人』(新潮文庫 上巻・中巻・下巻 )
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家 . . . 本文を読む