「雲龍風炉」という風炉があります
この風炉は土風炉の一つで
雲龍釜をのせるために作られたと聞いています
私が初めて雲龍風炉を見たのは
今からちょうど17年前の夏でした
それは
小間で催された朝茶の席でした
すっきりとした雲龍風炉の上で
静かに鳴っている端正な雲龍釜の姿は
思わず息をのむほど美しく感じられました
そこで初めて拝見した
風炉の鱗灰
当時の私にとって
それは全く未知の世界でした
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その後
雲龍風炉のことは
時々脳裏をかすめてはいたものの
自分にとっては
遠い憧れのようなものでありました
ところが三ヶ月前
社中の方から掻立鐶の扱いについて
お尋ねがあったことから
全く思いもよらない展開で
素晴らしい雲龍風炉に出会うことになりました
そして本日
道具屋さんが
自宅まで運んできて下さいました
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雲龍風炉は
唐銅のものもありますが
土風炉のものは
制作する人が少なく
また古い物は割れてしまって
あまり残されていないと
これまで色々な方から聞いていました
ところが
そんな「ほとんど出ない」
土風炉の雲龍風炉が
タイミング良く「出た」ということで
道具屋さん自身もびっくりされたのだそうです
「こういうのを”道具を呼ぶ”って言うんですね!」
と仰っていただいて
ホントかな・・?と思いつつも
何だか嬉しい気持ちになりました
17年前の”憧れ”が
ついに目の前の現実となりました
でもまだこの風炉を使うまでには
勉強しなければいけないことが
色々あります
風炉の蒔灰の作り方
土風炉の拭き方
そして
鱗灰の蒔き方
まだまだ道のりは遠いです。。。