表千家一期一会

茶会を終えて。。。

今日は
ほぼ半日かけて
先日の茶会の後片付けをしました

一人で黙々と
道具を片つけながら
今回の一期一会を
反芻しておりました

この度の茶会を開くにあたり
三つの掛物との
出会いの物語がありました

【掛物その一】

待合「赤鍾馗」の画

この掛物については
昨年の記事で
書かせていただいたことがあります

昨年実家の母から
「赤鍾馗」を拝借する承諾を得て
いざ今年になって
借りに行った時
この掛物がその昔
祖母より母に贈られたもので
あったことを初めて聞きました

父母が結婚し
私が生まれた時
父は赤ん坊が男の子でなかったことを
残念がったそうですが
祖母は
赤子が守られすくすく育つようにと
この掛物を下さったのだそうです

その時の祖母の気持ち
そして
その掛物を毎年欠かさず
端午の節句に掛けてくれた
母の気持ちを
あらためて知ることができました

【掛物その二】

待合奥の小間には
「神龍画讃」を掛けました

実はこの掛物は
今年の初釜での籤当りです

師匠のご子息が描かれた龍に
師匠が賛を書かれたものです

一月に仕立てに出して
三月に仕上がってきて
四月に箱を書いていただき
そして
ちょうど五月の懸釜に
間に合ったと言うわけです

不思議なご縁を感じました

【掛物その三】

本席には
『白雲深處金龍踊』

この言葉を初めて知ったのは
今から17年ほど前
ある宗匠のお宅で開かれた
お茶事の席でした

その言葉から思い浮かぶ世界が
私にとっては
どの禅語にも増して魅力的で
いつかこのお軸に出会ったら
是非求めようと
心に決めました

しかし
この掛物に出会うことなく
月日はあっという間に流れました

そして
今回の懸釜当番が決まった頃から
奇しくも辰年
端午の節句に掛けるのは
このお軸以外には無い!と
あちこちの道具屋さんをたずねました

ところが
茶会が迫ってきても出会いは無く
少し焦り始めた頃
京都に出かけたついでに
立ち寄った道具屋さんには

「あんまり見ないですな・・・
今うちには
こんなんあるけどどうですか。。。」
と言われ
「もう少し待ってみます・・・」
と帰ってきました

ところが翌日
その道具屋さんから
電話が掛かってきました

何とその掛物が
ある場所で出たという連絡でした

「昨日の今日でびっくりした!」
と仰る道具屋さんに
私はその電話で
「それ買います!」と
現物を見ることもなく
答えてしまいました

後日その掛物を見て
全てに満足し
「正にこれを私は待っていた・・・」と
思ったのでした


道具との出会いには
不思議な力を感ずることが
往々にしてあります

これらの三つの掛物も
それぞれに深いご縁で
引き寄せられたように
思えてなりません

感謝です
(^人^)


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