表千家一期一会

12月稽古場 2

「無事」
大徳寺黄梅院太玄師


三重棚

「即中斎記」には
三重棚について
次のように記されています

「この棚は もと水屋において
道具をのせておく棚から思いついて
好んだと伝えております。
五代随流斎の兄・宗全が一閑で好み
桐木地 覚々斎好
桑木地 如心斎好
があります。」


「水屋」河原書店発行
(佐々木三味・著)

この本に初期の水屋について
次のように記されています

「茶道初期の水屋が
どんなものであったかは
ハッキリしていない。
恐らく次の間に
お厨子とか書棚
あるいは
机とか板とかを置いて茶具を並べ
茶巾その他の水仕事は
縁側で間に合わせて
いたものらしい。」

今のような「水屋」が無かった頃
三重棚の原型となるような棚が
縁側のあたりに
置かれていたのかもしれませんね

因みに
この本の巻頭「序言」に
とても心に響く文章がありますので
ここに
紹介させていただきます

「一枚の紙、一片の布にも裏表があり
美しい花を咲かせる木にも
地中に隠れた深い根がある。
芝居や能狂言にも
舞台があれば必ず楽屋がある。
お茶もまた
待合から露地を経て本席。
掛物から釜、茶入、茶杓等々
直接客の眼に、手に触れる
表面に現われた部分と
それをそれまでに
準備するところの楽屋
すなわち裏の部分と陰の仕事とがあり
その裏、陰の部分が
『水屋』である」


稽古帰りに
見上げた冬空に
月と星が静かに光っていました
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