「本来無一物」
大徳寺黄梅院太玄師
今年はうれしいことに
長らくお稽古を続けて来られた
三名の方に
台天目の相伝をさせていただきました
研究会でお二人の方には
お点前をしていただいたのですが
あと一人Sさんがまだでしたので
本日はSさんに台天目のお点前を
していただきました
これまでにも
相伝茶事から何度か
お点前をご覧になっていましたが
ようやくご自分でお点前をするという今日は
他の誰よりも早く稽古場に現われました
その気持ち
私はよくわかります
実際にお点前をしてみると
ただ見ていただけの時と違って
色々な発見や学びがあります
そして一度自分でお点前をすると
他の方のお点前が
より見えてくるようになります
懸命にお点前をされているSさんを見て
昔々の自分の姿を重ねていました
主菓子 木犀の香 鼓月製
さて
本日は花月のお稽古もしたかったのですが
11月6日の習礼と22日の席披きの打合せに
思いのほか時間をとってしまいました
花月の稽古はとりやめて
点て出しでお薄を飲んでいただき
その後
皆で歩いて自宅まで行きまして
玄庵を見学していただきました
元の六畳の稽古場や
水屋があった部屋に
「懐かしい~!」とおっしゃる方も・・・
そして
玄庵の中に
ちょっと狭いですが
7名入っていただきました
この度の茶室建築は
スタートからおよそ二年近く
かかりました
その間の
建築家の先生や大工さんや庭師さんとの
やりとりを
逐一お弟子さんにお話していましたので
「あのお話の箇所は
ここだったんですね~!」と
皆さんとても楽しげでした
本当にうれしいことです
うれしいことを
うれしいと素直に感じているのも
自分ですが
「本来無一物」・・・と
どこかさめた目で見ている
もう一人の自分がいるのが
なんだか不思議な気分でした