松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆である・ですます(三浦半島)

2012-09-11 | 1.研究活動
 「難解な法文は専制の表徴である。平易な法文は民権の保障である」。民法起草者の穂積陳重博士の言葉であるが、この言によると、役所の文章が、市民にとって分かりやすいものになっているかどうかは、私たちの民主主義の熟度を推し量るバロメーターになるということである。
 難解用語の最たるものは、法文であるが、これについては内閣法制局140年の歴史との格闘という問題があるので、別の機会としよう。
 一般の公文書も、法文と同じようにかつては難解であった。私は、役所の文章は、「である」で書くものと教わってきたが、「である調」は、一般に、堅苦しく、古めかしい、横柄といった印象をもたれるために、市民のお役所、さらには市民の「お客様化」のなかで、徐々に駆逐されてきた。今では、すっかり「です・ます調」になったようだ。
 それでも、「である調」は、なかなか威厳もあり、簡潔であるという意見もあるが、ただ、この簡潔性も、文章を「弾力的に解釈・運用することができるようにするといった官側の論理」といった批判を受け、大勢を覆す理由にはなりえないだろう。そこで多少は冗長でも、「です・ます」で行くしかないであろう。むろん、慣れの問題もあり、最近、役所に入った若い人には、何の違和感もないのであろう。
 役所は、大きく変わったが、大学の世界では、依然「である調」が主力である。さきほど、市長会から原稿執筆の依頼があったが、「である」で書くようにとの指示があった。学生に課す卒論や論文試験はもちろん「である」である。そして、この文章も「である」で書いている。大学とそして私も、いずれ駆逐されるのであろうか。たまたま、今書いている協働に関するブックレットは、「です・ます調」なので、大学の世界が、「です・ます調」になっても、私は十分対応できると思う。
 
 写真は、三浦半島観音崎。横須賀では、あちこちでボードウォークを楽しめる。
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