松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆リンゲルマン効果(原因と対策)②

2022-09-04 | 自治会・町内会、オルソン問題を考える
2.社会的手抜きが起こる原因には、次の理由が考えられる。
① 動機づけがしにくい
 集団で作業をすると、少しでも楽をしようとする者が出てくる。一人ひとりが本来持っている力が存分に発揮されない。
 なぜ、そうなるか。リンゲルマンたちの意見をまとめると、次のようになる。
 ・評価可能性の低さ・・・個人の貢献度が他者から分かりづらいほど、社会的手抜きが起こりやすい。
 ・努力の不要性・・・優秀なメンバーがいる場合、「自分が努力したところで、全体にはそれほど影響しないだろう」と考えて手抜きをなる。
 ・手抜きの同調・・・社会的手抜きが日常的に行われている集団では、それが暗黙的な集団規範となる。まじめにやるのが馬鹿らしい。
 ・緊張感の低下や注意の拡散・・・集団ということなので、これらが起こりやすい

② 調整が難しい
 集団で作業をするには、それぞれの息を合わせなければいけない。それをまとめて大きな力にしないといけないが、それが難しい。

3.リンゲルマン効果から考える自治会・町内会活動活性化のヒント
①評価の可視化・貢献度の可視化
 リンゲルマン効果は、貢献度が見えにくくなるほど発生しやすくなるため、個人の評価を可視化することが重要(個人の成果を識別可能にする)
②タスクの明確化、役割の明確化
 同じような業務を複数人に依頼すると「誰かがやるだろう」といった心理が働き、業務上のすきまができやすくなるため、効率が悪くなる。そのため、リンゲルマン効果を防ぐには、役割の明確化を行って、参加者一人ひとりに当事者意識を持たせることが重要。
③目標の共有化、そのためのリーダーシップ
 これらを具体的に行うには
 ・大集団をいくつかのグループに分割する。
 ・その人ならではの課題を設定する
 ・明確な課題、目標設定とその共有
 ・与えられた課題が創造的である
 ・仕事・役割を分割して、遂行量、達成度を見える化する
 ・仕事・役割の責任範囲を明確化する
 ・リーダーの一つの方向性に力を糾合できるリーダーシップが望まれる
 ・メンバーへの情報、名誉等のフィードバックに心がける

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