松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆リンゲルマン効果(社会的手抜き)①

2022-08-25 | 自治会・町内会、オルソン問題を考える
 フリーライダーに関連して、リンゲルマン効果というのがある。

1.社会的手抜き
 マクシミリアン・リンゲルマン (Ringelman) は、集団効率に関する興味深い実験を行った。被験者に綱引きをさせて、参加人数の総合計に対する1人当たりの力の量の違いを測定した。

 1人で綱引きするときに用いる力を100%とすると、2人のときは93%、3人のときは85%、8人のときには49%まで低下したとした。作業人数が増えるほど1人が発揮する力が減少する、つまり、集団で行動することで、手抜きが生じるとした。

 何か、当然のような感じもするが、この実験においても、相手も8人いて、8対8であった場合、本当に49%の力しか出さないのか。この場合、100%近くの力を出すのではないか。つまり、楽勝だと思ったら、力を出さないし、これはやばいと思えば、力を出すのではないか
 ここから、集団であっても、力を出す条件を整備すれば、力を出すのではないか。負けてしまうというような危機意識を共有できれば、全員が、100%の力を出すのではないかとも考えられる。

 さて、リンゲルマンの調査方法は、あまり適切ではないように思う、これを改良したのが、ラタネら(Latané, Williams, & Harins)の実験である、
 これは6人の被験者に,誰と共にいるか見えないよう目隠しとヘッドホーンをつけさせて、大声を出すあるいは拍手をしてもらい、その音圧を騒音計で測ったものである。

  その結果、実際には一人で遂行しているにもかかわらず、他者と共に遂行していると信じさせられる疑似集団でも遂行の減少が生じた。

 このように集団課題状況で他者と同じ作業に関わっていると意識する場面で、一人当たりの努力量が低下する。ラタネらは、この現象を「社会的手抜き (social loafing)」と名付けた。

 3年ぶりに秋田に来た。秋田に来ると、まずは、ながはまコーヒー。ここのブレンドコーヒーは、穏やかでおいしい(うまく作れないと、作り直しをするそうだ)。

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