
なぜ氏名公表を考えるのか。氏名公表という「処分」を政策法務の観点から考えてみよう。
のち詳しく論じるが、「匿名」をいいことに、ネットにおける悪口は、常軌を逸している。匿名の意義も、十分理解しているが、とうてい表現の自由とはいえないような悪口雑言が溢れている。
大きな流れとして、これに対する一定の規制が生まれてくるだろう。とくに、私たち日本人は、「名を名乗れ」が基本なので、陰に隠れて、人の悪口を言うことへの嫌悪感、卑怯者感は強いので、国においても議員立法で何らかの法律がつくられていくことになると思う。
その際の有効な規制手段が、氏名公表だろう。目には目を、匿名には氏名公表ということになる(匿名に氏名公表では、目には目にはなっていない?目には口のような感じ)。
法律ができるのは、多くの場合、地方の条例が先行する。最近では、その兆しが見え始めた。ヘイト条例における氏名公表である。
ここから、氏名公表の問題を考えていこう。
政策法務としての氏名公表は、これまであまり考えたことがないので、ここでは、『しがない公務員のメモ帳』という、ブログを参考に、考えてみよう。私のような初心者には、とても分かりやすい。
年末に、大阪市が、ヘイト行為をした2名を氏名公表した。一人は、確信犯のようなので、氏名公表の意味は乏しいが、もう一人は、ある種のビジネスとして、まとめサイトを運営している人なので、その波及効は大きいと思う。
日経新聞の記事がよくまとまっているので、概要は次のとおりである。
大阪市は27日、市のヘイトスピーチ(増悪表現)抑止条例に基づき、市がヘイトスピーチと認定した街宣活動など2件について、街宣活動をした人物ら2人の氏名をホームページ(HP)で公表した。自治体が条例に基づいてヘイト行為をした人物の氏名を公表するのは全国で初めて。
市が公表した氏名は政治団体「朝鮮人のいない日本を目指す会」の川東大了氏。市によると、2016年9月、大阪市内の駅近辺で在日コリアンに対し「朝鮮人が危険だから日本からいらない」などの発言を繰り返した。その様子を記録した音声をインターネット上でも公表した。
大学教授や弁護士らで構成する市の有識者審査会が今年7月、こうした言動が「憎悪・差別の意識をあおることを目的として行われた」と市に答申。市はヘイトスピーチに認定し、氏名や行為の概要などの公表内容について検討していた。
市はさらに、まとめサイト「保守速報」の運営者の栗田香氏も公表した。16年ごろ、市内の在日コリアンの団体役員について「朝鮮人撲滅」などの不適切な表現の記事を掲載し、差別表現を増幅するコメントが投稿されていた。市によると、被害者が提出した裁判資料から氏名を特定したという。
市は条例を16年7月に全面施行。ヘイトスピーチ被害者らの申し出を受け、審査会がヘイトスピーチに該当すると判断すれば、市が発言・発信者の氏名を公表する仕組みとなっている。
市は18年度までに、ネット上の動画4件、まとめ記事2件の計6件をヘイトスピーチと認定したが、いずれも匿名の投稿でハンドルネームなどの公表にとどまっていた。市はサイト運営者などに氏名の提供を義務付ける条例改正も検討したが、電気通信事業法の守秘義務などのハードルが高く断念した。
ヘイトスピーチを巡っては自治体が条例で規制する動きが広がっている。川崎市では12月、日本以外にルーツがある人に対してヘイトスピーチを繰り返す行為に対する刑事罰を盛り込んだ条例が成立した。違反者が勧告や命令に従わず繰り返した場合、氏名を公表して刑事告発する。
東京都も19年4月、公的施設の利用を制限したり、ヘイトスピーチやヘイトデモを行った団体や個人の実名を公表したりできる条例を施行。これまでに3件の事例をヘイト行為として公表したが、氏名公表には至っていない。
のち詳しく論じるが、「匿名」をいいことに、ネットにおける悪口は、常軌を逸している。匿名の意義も、十分理解しているが、とうてい表現の自由とはいえないような悪口雑言が溢れている。
大きな流れとして、これに対する一定の規制が生まれてくるだろう。とくに、私たち日本人は、「名を名乗れ」が基本なので、陰に隠れて、人の悪口を言うことへの嫌悪感、卑怯者感は強いので、国においても議員立法で何らかの法律がつくられていくことになると思う。
その際の有効な規制手段が、氏名公表だろう。目には目を、匿名には氏名公表ということになる(匿名に氏名公表では、目には目にはなっていない?目には口のような感じ)。
法律ができるのは、多くの場合、地方の条例が先行する。最近では、その兆しが見え始めた。ヘイト条例における氏名公表である。
ここから、氏名公表の問題を考えていこう。
政策法務としての氏名公表は、これまであまり考えたことがないので、ここでは、『しがない公務員のメモ帳』という、ブログを参考に、考えてみよう。私のような初心者には、とても分かりやすい。
年末に、大阪市が、ヘイト行為をした2名を氏名公表した。一人は、確信犯のようなので、氏名公表の意味は乏しいが、もう一人は、ある種のビジネスとして、まとめサイトを運営している人なので、その波及効は大きいと思う。
日経新聞の記事がよくまとまっているので、概要は次のとおりである。
大阪市は27日、市のヘイトスピーチ(増悪表現)抑止条例に基づき、市がヘイトスピーチと認定した街宣活動など2件について、街宣活動をした人物ら2人の氏名をホームページ(HP)で公表した。自治体が条例に基づいてヘイト行為をした人物の氏名を公表するのは全国で初めて。
市が公表した氏名は政治団体「朝鮮人のいない日本を目指す会」の川東大了氏。市によると、2016年9月、大阪市内の駅近辺で在日コリアンに対し「朝鮮人が危険だから日本からいらない」などの発言を繰り返した。その様子を記録した音声をインターネット上でも公表した。
大学教授や弁護士らで構成する市の有識者審査会が今年7月、こうした言動が「憎悪・差別の意識をあおることを目的として行われた」と市に答申。市はヘイトスピーチに認定し、氏名や行為の概要などの公表内容について検討していた。
市はさらに、まとめサイト「保守速報」の運営者の栗田香氏も公表した。16年ごろ、市内の在日コリアンの団体役員について「朝鮮人撲滅」などの不適切な表現の記事を掲載し、差別表現を増幅するコメントが投稿されていた。市によると、被害者が提出した裁判資料から氏名を特定したという。
市は条例を16年7月に全面施行。ヘイトスピーチ被害者らの申し出を受け、審査会がヘイトスピーチに該当すると判断すれば、市が発言・発信者の氏名を公表する仕組みとなっている。
市は18年度までに、ネット上の動画4件、まとめ記事2件の計6件をヘイトスピーチと認定したが、いずれも匿名の投稿でハンドルネームなどの公表にとどまっていた。市はサイト運営者などに氏名の提供を義務付ける条例改正も検討したが、電気通信事業法の守秘義務などのハードルが高く断念した。
ヘイトスピーチを巡っては自治体が条例で規制する動きが広がっている。川崎市では12月、日本以外にルーツがある人に対してヘイトスピーチを繰り返す行為に対する刑事罰を盛り込んだ条例が成立した。違反者が勧告や命令に従わず繰り返した場合、氏名を公表して刑事告発する。
東京都も19年4月、公的施設の利用を制限したり、ヘイトスピーチやヘイトデモを行った団体や個人の実名を公表したりできる条例を施行。これまでに3件の事例をヘイト行為として公表したが、氏名公表には至っていない。