松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治基本条例推進委員会のつくり方(戸田市)

2015-03-18 | 1.研究活動

  戸田市自治基本条例にもとづく推進委員会をどのような内容、形態にするか。多くの自治体では、行政がさっとつくってしまうが、戸田市では、市民、議会、行政の3者(各2名)の合計6人で検討している。ここでも協働の精神に忠実あろうとする戸田市らしい愚直さである。 

  多くの自治体では、自治基本条例の推進委員会は、進捗状況のチェックであるので、年1度開かれる程度である。行政からの報告を聞いて終わりである。全く意味がないわけではないが、屋上屋を架すような組織となってしまう。行政職員だって、本音のところでは、まともに相手にしていないであろう。それではもったいない。

  この日は、第2回目であるが、組織の形態等を検討した(第1回目は他の予定とぶつかり参加できなかった)。ちなみに、私はアドバイザーである。座長さん(市民)の持ち味を活かした進行で、和気あいあいの会議となった。私も遠慮なく、意見を言わさせていただいたが、特に議論が盛り上がったところを紹介しよう。

① 報酬も出て、附属機関になるが、それでは窮屈すぎないか。
  これは多くの附属機関は仰々しいからである。しかし、既存の附属機関のイメージに縛られる必要はないではないか。私が会長の相模原市南区区民会議も附属機関であるが、自由闊達にやっている。ワークショップだってやる。制度的には附属機関とせざるを得ないが(むしろそうすべき)、要するにやりようである。

②分科会をどうするか
  この論点は、もともとは諮問答申型の附属機関をイメージして、出てきたものだろう。たしかに、専門的に研究するには、全大会では動きが悪く、そこで、分科会をつくって専門的に研究することが広く行われている。
  しかし、分科会の数人が考え、全体会は、それを了承する形にすると、推進委員の当事者性がどんどん薄れていく。この委員会では、委員の全員が考え、しかも、提案は、机上ではなく、実際のPR・啓発活動や事業活動を通して、いわば地域で鍛えられた提案を出すように心がけてほしい。

③惑星型組織
   推進委員会の外に、その時のテーマごとに結成された活動組織ができる。相模原市南区区民会議でいえば、若者たちのプロジェクトのような感じである。推進委員会のメンバーのうち、何人かがそこに入って、推進委員会との連携を保ちながら、惑星の活動を応援をする。企画が詰まってくれば、惑星が活動するための予算(たとえばイベント)を考えていくことになるだろう。

④運営の重要性
  どんなに柔軟な仕組みをつくっても運営が硬直化しては、元の木阿弥である。座長の役割は重要である。自由闊達な意見が出るように、心がけることである。推進委員会メンバーも事務局もそれを許容し、支えることが必要である。その意味では、立ち上げ時の推進委員会は、これまでのやり方で自治基本条例や総合計画で体験したメンバーが半分くらいは、入る必要があるだろう。

  いずれにしても、自治基本条例の精神を踏まえて、このような真面目なつくり方をしているところは、いかにも戸田市らしく、好感が持てる(推進委員会も補正予算で対応する)。

  この日の会合は、夜の6時半からだった。午後は、神奈川県葉山町で、研修をやっていたので、その足で戸田市に向かった。戸田市は赤羽で埼京線に乗り換える必要がある。実は、3月14日の北陸新幹線スタートの陰で、目立たないが、東海道線が東京どまりではなくて、東北本線まで乗り入れるようになった。この日はたまたまその電車に乗ったが、うとうとし目を覚ましたのが、「尾久」だった。初めてのことで、寝過ごしたかと思ったが、尾久のひとつ先が赤羽だった。

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