松下啓一 自治・政策・まちづくり

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○空き地とまちなか菜園

2016-04-09 | 空き家問題

 空き家問題は、空き家を除去すれば終わりではない。そのまま放置するだけでは、再び草が生え、ぽっかりと空地ができて、まちが寂れるだけである。空き地のまちなか菜園・花壇という試みが始まっている。

1.メリットとしては、

 ①所有者は、自ら草刈等をするか、有償で業者に依頼しなければならないが、家庭菜園や花壇として活用してもらうことにより、無償で維持管理ができ、土地を見守ってもらえる。
 ②家庭菜園をやりたい、草花を愛でるたいという人のニーズにこたえることができる。
 ③地域にとっても、荒れていた土地が、きれいに整地され、よい環境が維持される。

 ・遊休地が活用されることで防犯・治安維持になる。
 ・災害時には避難空地として活用できる。
 ・都市景観が向上する。
 ・ヒートアイランド現象、都市型洪水が低減する。
 ・自治会活動の活性化、地域の活性化につながる。

 接道条件が悪い空き地の活用方策として注目される。

2.施策の可能性としては、

 流山市で空き地所有者へのアンケートを実施している(空き地の所有者に対して、土地の有効活用の意向に関するアンケート調査を平成25年6月から10月まで)


 質問(1)土地管理方法について
 
ア 草刈りなどの土地管理を無料でやってもらえるなら、他の人にその土地を無料で貸し、利用してもらっても良い(21件(18%))。
 イ 草刈りは自己の責任で行うので他の人に貸すことは望まない(83件(69%))

  一定のニーズがあるということだろう。

 質問(2)貸出しの相手として、望ましい方はどなたですか?(複数回答)
  ア 自治会 8件(38%)
  イ 近隣住民などの個人 3件(14%)
  ウ NPOなどその他の団体 0件(0%)
  エ 市  15件(71%)

 行政が関与する仕組みが必要ということになる。


 質問(3)土地利用方法として、望ましいものはどれですか?(複数回答)
 
ア 駐車場 5件(24%)
 イ 家庭菜園 16件(76%)
 ウ オープン・ガーデン5件(24%)
 エ 倉庫など保管スペース3件(14%)
 オ グラウンド3件(14%)
 カ その他 1件(5%)(子どもの遊び場)

  家庭菜園の比率が高い。ほかの選択肢に比べて、なんとなくわかる気がする。 

3.仕組みづくりには 

 ・行政の関与が必要だろう
 ・自治会,NPO等で、普及、運営組織をつくる。
 ・所有者の不安を除去するきちんとしたルールをつくる(貸す側と借りる側の人としての信頼関係に寄り添うルール)
 ・専門家の派遣などもあると魅力的である。 
 ・利用者は、個人、地域などバリエーションがあるだろう。
 ・行政の支援としては補助制度がある。横須賀市では、空き家を取り壊した後、使用していない空き地の有効活用として、菜園にするための土の入れ替え・排水設備工事費用の一部を助成制度がある( 補助額:初期投資費用の 1/2 上限 20 万円)。

 

 

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