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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十二話part1

2025-01-18 18:47:01 | 日記
「うわー、本当におばあちゃんが育代ちゃんなんだね」
「ええ、驚いた?」
「うん……けど、大丈夫。私の周り、なんか超能力者多いしね」
 
 なぜか自分には発現しないけど……という言葉をグッと小頭は飲み込んだ。本当はちょっと憧れがある。まさかおばあちゃんが……という思いもある。それにどうやら兄である野々野足軽も超能力者らしい。
 そうなると、なんか周囲が固められて言ってる気がする。その内お母さんとかお父さんまで目覚めたりしないよね? とか内心思ってる。
 
 おばあちゃんは鬼たちととりあえず和解して、そしてどうするか? をはなしあった。鬼たちは一応あの扉を抑える封印を化したが、それもいつまでも持つものじゃない。
 それにこのままあの門が開いてるのはきっとまずい事だろう……というのはここにいる全員の共通認識。それに彼らも元の世界に戻ることを望んでる。
 なにせこのままだと入れ替わった人として、その人の代わりに生きないといけなくなる。それを鬼たちは望んでる訳じゃないんだ。彼らは別に向こうの世界で絶望していた訳じゃないらしい。
 
「思ったんですけど、二人とも向こうで絶体絶命だったとか、実は向こうではもう生きてないとかないよね?」
「なにそれ? 面白いこと言うね」
「俺たちは、精いっぱいいきていた。明日がどうなってるのかはわからないがな。なにせ強大な敵がいたからな」
 
 二人の鬼の言葉を信じるならば、二人はどうやらいきてたみたいだ。
 
「いや、こっちの世界ではこういう転生……はちょっと違うけど、違う世界に行くきっかけって死にかけてたり、死んでたり……そんな物語りが多いからさ。
 それに既に死んでたり後悔があったりする人が別の人に成り代わったりしてたら、別に今の状況のままでも……とかなるんじゃないかなって……」
「それはまあ確かに? けど私達はそんな事ないよ。普通に戻りたい。私達は生きてたからね」
 
 鬼女は元気にそういう。とりあえずは小頭たちはおばあちゃんの見たことあるかも……という記憶を頼りに、既に廃村になってるあの村へと向かう事にした。
 なにせあそこはどうやら呪術師の村だったみたいだから、何かそういう手掛かりがあるのでは? ということだった。それに懐かしい場所に行くことで、記憶が掘り起こされる……ということはままある。
 
 なので四人は急いであの村に……
 
「なんで私の自転車空飛んでるの?」
 
 おばあちゃんはその事にとても困惑してた。ちっちっち、私はおばあちゃんに飛んでない、空を走ってるんだとどや顔で教えてあげた。もちろんおばあちゃんは??? ――となってた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません) 盤上の迷宮航路にご招待 158

2025-01-18 18:41:12 | 日記
「さて、この環っかを直してあげましょう。無駄に抵抗しないでね」
 
 私はコクピットで薄暗い開かりを受けながらそういった。G-01のモニターに沢山の文字が流れていく。指先を向けて、弱い力をわっかへと送る。そしてその少ない力で警戒させないようにして、セキュリティをかいくぐり、少しずつ私はG-01のエネルギーをわっかに送り込む。なにせこの環っかとG-01のエネルギーはほぼ一緒といっていい。なにせ生まれた世界が一緒だからね。けど同じでも識別する方法はあるわけで、それをどうにかするために色々と、私はエネルギーを弄るのに苦労したよ。全く違ったら、そもそもが一緒にはできないわけだけど、それそれであきらめがつくだろう。
 けど、今回はそうじゃない。なにせ大体は『同じ』なのだ。そしてその中で僅かな違いを施して識別をしてる訳で……ほら一緒の世界にいくつも電気メーカーがあったら、それごとに同じような製品なのに使いまわしが出来ない……とかあるじゃん。あれである。
 そのメーカーの独自規格みたいなさ。それにこのわっか事態は多分だけど、G-01を作った世界ではそこそこ普及してたものだと思う。でも、こんな場所で、そして長期に独自稼働できるように、色々と手を食わえられてる。それはセキュリティも一緒だった。それをやったのはきっと、私が見たあの男性だろう。色々と、うまくいかなかった彼だけど、間違いなくあの人は「天才」ではあったと思う。たからそんな人が手を加えたものに私が何か出来るのか? とか思ったけど、なんとかなるものだ。
 私の知識も、そこそこ使えるものになってきたのかもしれない。なにせ一日も欠かさずに私はちゃんとマニュアルを解読してるから。そしてどんどんと私の脳は拡張されてる。実際、脳が拡張されてるってよくわかんないけどね。だって脳みそが拡張されてるっていうと、脳みそが大きくなってるのか? と思うじゃん。それに今まで何回も私は脳を拡張してる。もしも物理的に脳が肥大化してるのなら、私の見た目はそれはもう直視できないものになってるはずだ。
 
「けど、私の見た目は変わってないからね。ありがたいよ」
 
 私は天才になる代わりにクリーチャーになれって言われたら絶対に「いや!」っていうよ。だって今の見た目、かなりいいからね。それを捨ててまで天才にはなりたくない。でも私は変わってない。そしてそれなのにこうやって天才が弄った機械を、私自身が弄る事が出来てる。わずかずつ流してまずはその周囲を修復してると、一定を超える感覚と共に――
 
「これ以上はやばいか」
 
 ――と思えるラインがある。それは直感に近いが、なんかわかる。そうなるとまたエネルギーを弄ってみる。すると猶予が生まれる。きっとよりわっかのエネルギーに近づいてるからだ。そしてそれを何度も繰り返す。
 
「ふう……」
 
 私は今、かつてないほどに頭を使ってるかもしれない。その証拠に、私の額には球の粒がいくつも生まれては額から鼻筋を通ったり、顎を伝って私が浸かってる水に汗が落ちてる。