「うわー、本当におばあちゃんが育代ちゃんなんだね」
「ええ、驚いた?」
「うん……けど、大丈夫。私の周り、なんか超能力者多いしね」
なぜか自分には発現しないけど……という言葉をグッと小頭は飲み込んだ。本当はちょっと憧れがある。まさかおばあちゃんが……という思いもある。それにどうやら兄である野々野足軽も超能力者らしい。
そうなると、なんか周囲が固められて言ってる気がする。その内お母さんとかお父さんまで目覚めたりしないよね? とか内心思ってる。
おばあちゃんは鬼たちととりあえず和解して、そしてどうするか? をはなしあった。鬼たちは一応あの扉を抑える封印を化したが、それもいつまでも持つものじゃない。
それにこのままあの門が開いてるのはきっとまずい事だろう……というのはここにいる全員の共通認識。それに彼らも元の世界に戻ることを望んでる。
なにせこのままだと入れ替わった人として、その人の代わりに生きないといけなくなる。それを鬼たちは望んでる訳じゃないんだ。彼らは別に向こうの世界で絶望していた訳じゃないらしい。
「思ったんですけど、二人とも向こうで絶体絶命だったとか、実は向こうではもう生きてないとかないよね?」
「なにそれ? 面白いこと言うね」
「俺たちは、精いっぱいいきていた。明日がどうなってるのかはわからないがな。なにせ強大な敵がいたからな」
二人の鬼の言葉を信じるならば、二人はどうやらいきてたみたいだ。
「いや、こっちの世界ではこういう転生……はちょっと違うけど、違う世界に行くきっかけって死にかけてたり、死んでたり……そんな物語りが多いからさ。
それに既に死んでたり後悔があったりする人が別の人に成り代わったりしてたら、別に今の状況のままでも……とかなるんじゃないかなって……」
「それはまあ確かに? けど私達はそんな事ないよ。普通に戻りたい。私達は生きてたからね」
鬼女は元気にそういう。とりあえずは小頭たちはおばあちゃんの見たことあるかも……という記憶を頼りに、既に廃村になってるあの村へと向かう事にした。
なにせあそこはどうやら呪術師の村だったみたいだから、何かそういう手掛かりがあるのでは? ということだった。それに懐かしい場所に行くことで、記憶が掘り起こされる……ということはままある。
なので四人は急いであの村に……
「なんで私の自転車空飛んでるの?」
おばあちゃんはその事にとても困惑してた。ちっちっち、私はおばあちゃんに飛んでない、空を走ってるんだとどや顔で教えてあげた。もちろんおばあちゃんは??? ――となってた。