UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十話part2

2025-01-06 18:33:50 | 日記
 足軽はすぐに力を使って四体の猿の力を上回ることができた。それは目論見通りだ。これまで訓練を続けてきて、よかったと思った。
 
(これであとは、力を落ち着かせれば……)
 
 そんな風に思った矢先だ。野々野足軽の頭に響く音があった。それはまるで除夜の鐘のように「ゴーン・ゴーン」と鳴ってる。それが何なのか足軽にもわからない。
 
「足軽? どうしたの?」
 
 おばあちゃんが足軽の背中にそんな声をかける。けど、それに反応できない。でもおかげで足軽は「はっ」としてすで動き出してた。ただおばあちゃんに返す声を掛ける暇がなかっただけだ。
 何も動いてない用に見えるが、足軽は力を操ってるのだ。
 
(これは……なんだ? 形が……それに……流れてる?)
 
 足軽は異変を如実に感じてた。力の流れ……そして4つの猿の力の行方。その組まれた様。それを今や掌握してる足軽は感じれる。でも、理解はできない。そういう知識はないから。でも感覚で有ることはわかる。
 
(何かが、来る!?)
 
 その瞬間だった。黒い入道雲みたいになってた暗雲。夜空だからはっきりとは視認できないが、その雲から何かが落ちてくる。
 
「危ない!」
 
 足軽は慌てておばあちゃんを抱えて飛んだ。足軽たちが居た所にズドオオオオオオオオオン!! ――と大きな音と山全体……いやこの地域を震わせるようにして「それ」は落ちた。山にめり込むように斜めに刺さったそれ……
 
「なに? 扉?」
 
 そんな風に足軽に抱えられたおばあちゃんが言う。足軽はあの場から離れるために背を向けてたが、おばあちゃんは足軽の肩口から背後を見れたんだ。それで足軽よりも先に、それを確認できた。
 
「大きな扉が落ちて来たわ足軽。あの子達は……」
「きっとあのサルたちは形を保てなくなっただけと思う。けどきっとその扉と結びついてる」
 
 それを足軽は感じることができる。
 
「あれを呼び出したのはあの子達なの? あれは一体……」
 
 巨大な扉……あれが何なのか足軽もおばあちゃんだってわからない。
 
「いえ、待ってあれ……」
「なにかわかるの?」
「うん、なにかあの扉のようなの見たこと有るような……」
 
 何やらおばあちゃんは心当たりがありそうだ。けどどこで見たかまでは思い出せてない。とりあえずこれ以上距離を取ることはやめた。いつの間にか暗雲はきえて……いや、空はとても澄んでる。雲一つない。月明かりが眩しいほどになってた。さっきまでとはまるで別だ。さっきまでの暗雲が晴れた影響だろうか? 
 
 すると落ちて刺さって斜めになってるでかい扉から――「ドクン・ドクン」――という心音みたいなのが響き出す。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません) 盤上の迷宮航路にご招待 150

2025-01-06 18:26:52 | 日記
「あぁぁぁぁああああああああああああああああ!!」
 
 響く絶叫。断末魔といってもいい。それでも……自分は歯を強く合わせてその断末魔を押し込む。痛みが全身を襲ってる。それでも……自分は待ってくれない腕に向かって、頭を投げだす。なぜそうしたのかわからない。
 間違った判断が多すぎるかもしれない。今の腕の状態とか考えての事だったのかもしれない。けど今の自分にはわからない。きっと頭が固いと思ったんだろう。
 
 腕の拳と、自分の頭がかち合う。いや、厳密にはまだぶつかってない。自身のあふれるエネルギーが腕の拳を阻んでる。でも腕はもう一方の拳を更に向けてくる。左右の拳を切り替えるようにワン・ツーワン・ツーと打ってくる。
 それが続くたびに自分の頭に衝撃がくる。クラッとするが意識を強く保つ。痛みで全身が熱い。でも逆に体のどこかが痛いから意識を飛ばさずに済む。
 
 ガシャコン――
 
 そんなリロード音が聞こえた。プシューと腕の節々から白い湯気がでる。まずい奴がくる――そう思った。なにせあの動作をした後の攻撃は威力がとんでもなく上がってるということがわかってる。
 流石にあれを頭で受けるなんてできない。そんなことをしたら、それこそ頭が吹き飛ぶ恐れがある。じゃあ、他にどこがある? となるとない。ならば避ける? ダメだ。よけた所で……だ。
 
(それなら!!)
 
 受けて立つ。そう思ったのは戻ってきてるからだ。このままじゃそもそも攻略なんて無理なのが分かり切ってる。それに既にこの腕は自分のデータを十分に取ってるだろう。対応にその余裕が見える。
 だからこいつがやらないと思ってる事をやらないといけない。きっとこいつは今までのデータから自分が避けて反撃してくることまで予想してるだろう。
 そういう計算をきっとしてる。それだけこの腕は合理的だ。だからこそ、それを壊す。その為には……
 
(持ってくれ俺の頭!!)
 
 自分の頭の頑丈さを信じるしかない。勿論ありったけの力を高めることだって忘れない。それでも不安がないなんてことないが、そんな弱気は封じ込める。
 ここで出していいものじゃない。その時だ。
 
(紡いでください我が勇者)
 
 その声は懐かしく、そして寄り添うように響く。迷いなんてなかった。
 
「我らは一つ。前を向いた見据えるは光。迫る闇は振り払おう。追いすがるな。駆け抜けろ。どこまでも永遠に。剣は我。我は剣。心は折れず。魂は彩色を放つ。
 我らは……不滅の剣であり不屈の魂であろう」
 
 次の瞬間、腕の一つがはじけ飛ぶ。そして体に起きる変化。確認しなくてもわかる。すぐに自分は拳を握って向けていた。