UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十話part5

2025-01-11 19:01:49 | 日記
「足軽……ありがとう」
 
 そんな風におばあちゃんの瞳に意思が宿ったのがわかった。どうやら野々野足軽の狙いは成功したみたい。ちょうどいい感じで脳を刺激することが出来たようだ。下手にやると脳がシャッフルされて世界がグワングワンとなってしまう。実際、野々野足軽なら、敵対する相手の脳を揺らせば大抵は完封出来るだろう。ならばなんでサルにはやらなかったのか。流石にこれ以上長引くか、周囲にまで被害がでそうなら、脳シャッフルをやったと思う。
 大抵の存在はいきなり頭の中に何かされる……なんて経験なんてないだろう。だからこそ、誰もが対策なんてできない。当然、おかしくなってたおばあちゃんに何かできる事はなくて、足軽の攻撃はそのまま通った。でも足軽はかなり緊張してた。なにせおばあちゃんは大切な人だ。下手に強くやりすぎると、どんな後遺症が起こるかなんてわからないのだ。実際、足軽の力なら、ちょっと力を籠めたらプヨプヨの脳みそなんて簡単に頭の中で爆散させることだって出来てしまうのだ。
 出力を間違えてしまえば、最悪そんなことになりかねない。流石にそこまでの事になったことはないが、足軽は慎重にやった。そしてうまくいった。
 
「よかった。大丈夫? 頭、変な感じしない?」
「大丈夫。頭よりもこっちの方がいたいわ」
 
 そんな風に言っておばあちゃんは腕を見せる。足軽を投げ捨てた方の腕。足軽の方だけではなく、おばあちゃんにもダメージはあったみたいだ。かなり痛々しい色をしてる。なんか紫色になってた。
 
「我慢してて」
 
 そういった足軽は力をおばあちゃんの腕に集中する。すると痛みが引いていく気がした。
 
「こんなことまで……凄いわね」
「まだ完全に治った訳じゃないから。あまり動かさないでね……さて」
 
 足軽は前に出る。おばあちゃんをかばうようにして、さらに周囲に結界を展開する。どうやって周囲を洗脳してるのかわからない。だから大抵の物を弾く結界を張った。
 
「足軽……周りが……」
 
 おばあちゃんは今気づいたみたいだ。なんでそんなに慄いてるのかというと、それは周囲が地獄絵図になってるからだ。徐々に扉が開き始めてた。そしてそれに呼応するように、集まってた野生動物たちは倒れだした。そして草木は枯れて、山が死んでいく。生命エネルギーともいえるものが、あの扉へと吸い込まれてる。足軽達もジリジリと扉に吸い込まれそうになってる。何とか耐えてるのは足軽の力のおかげだ。そしてついに大きく完全に扉が開く。
 
 それと同時に、周囲が完全に変わった。扉に入った記憶はない。けど、そうなったんだと足軽は思った。
 
「おばあちゃんごめん!!」
 
 足軽はおばあちゃんの周囲に力を与えて、一気に投げ飛ばした。「戻れ! 戻れ!」と力に祈って後方に飛ばしたんだ。そして足軽は前を向く。そこには足軽よりも大きな人。 いや人? 頭には二つの角が見える。それに体も赤黒い。鬼のような存在がそこにはいた。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)盤上の迷宮航路にご招待 153

2025-01-11 18:55:47 | 日記
 新たな形態を使って、腕と戦う。腕の多段攻撃にも対応できてる。内部に響く振動。それを同じ振動で相殺するのだ。単純な事だけど、いきなりやるのは難しい。でも、自分の中にはノアもいる。だからできる。聖剣と自分で戦い。
 補助をノアに任せる。盤石な態勢だろう。それに……
 
(馴れて来たぞ)
 
 この形態も初めてだから探り探りだっだ。どこまで出せるのか、限界はどこなのか、あとは感覚をすり合わせていく感じ。それをやってきた。そしてようやくこの形態を掴んできた……と思う。自身がまさに剣へとなってるこの形態。
 どうやらその気になれば、手のひらからでも、どこからでも刀身を出したりできた。
 まあけどみえない刃の方が効果的ではある。わざとみせてそっちに意識をもっていかせるのもいいだけど、そもそもが腕には顔がない。奴の視線はこっちにはわからないから、どこに意識が向いてるかこっちがわからない。
 だからそれはちょっとうまみが少ない気がする。かなりミレナパウスさんが目玉の数を減らしてくれてる。でも……ボロボロでも目玉は動き出したりしてる。修理……されてる? 
 
 まだ腕にはその手は伸びてない。腕は簡易的には修理とかできないのかもしれない。実際こいつは特別だ。簡単に修理や整備ができるようなタイプじゃないのかも。
 
「そろそろ決めるわよ。あの子も限界が近いし、負担ばかりかけてられないわ」
「わかってます。そのつもりです」
「特殊な弾丸を用意したわ。あいつをこの弾丸でシステムから切り離す。そしたら勇者。あんたが決めなさい」
「はい!」
 
 いつの間にか背中についてたアイ殿からのその言葉。それだけ言うと静かに彼女は距離をとる。狙いを定めるんだろう。こちらも準備をしよう。高めるんじゃなく、研ぎ澄ませる。
 そのほうがこの腕にきっと気づかれないだろう。力を高めると、どうしても察せられてしまう。なにせエネルギーは常に戦闘中には気をかけてるからだ。
 エネルギーの上下、それを意識するのは戦闘の基本といっていい。高まったら、強力な攻撃がくるし、下の方にいってそれが元に戻らないのなら、エネルギーが残りすくないとわかる。
 戦闘において、その情報はとても大切だ。だからこそ、なるべく知られないようにもするものだが、やっぱり決死の一撃とかなると、気づかれないようにするのは難しい。
 だからこそ、高めるんじゃなくエネルギーを研ぎ澄ませるんだ。それはきっとこの腕にはない概念だろう。
 この戦いの終わりも近づいてる。自分はそれを感じてた。